「フード産業」を人気業種にすることは可能か

クックビズが目指していることとは?

有効求人倍率は、市場拡大でより高い水準に(図:クックビズ)

藪ノ:影響は大きいですね。ただ、今後飲食の領域で正社員がいきなり採りやすくなることはほぼないと思っています。これだけ景気が良くなると、他の業種でもいいという人は飲食業界から出て行って、残るのはわれわれが”飲食人”と呼ぶ人たちだけになり、飲食店側は彼らを取り合うことになります。飲食店はこれまで、来店するお客さんに対する差別化はやってきたんですが、従業員に対しては、たくさん採用して誰か残ればいいだろうという考え方でした。でもこれからは、有給取得を推進していったり、人事考課の制度設計を変えていったり、一般の企業のように振る舞っていかないと、求職者や従業員から評価されなくなります。なので、人材に投資している会社がここ10年で圧倒的に増えています。そこはわれわれに取っては追い風だと思います。

朝倉:藪ノ社長が“飲食人”と表現されている方々について、もう少し教えていただけますか?料理人もいれば接客の人もいるでしょうし、お店側にしても、ものすごい高級店もあればチェーンみたいなところもありますよね。クックビズの利用者はどんな方たちなんですか?

藪ノ:企業側で言うと、数店舗から200~300店舗のミドルチェーンと呼ばれる規模が中心です。われわれのメインは中途採用支援ですので、主に経験者をターゲットに採用活動を行なっている企業に対してサービスを提供してきました。また最近では、ナショナルチェーンと呼ばれる大手企業にも、利用が広がっています。

ミドルチェーンがナショナルチェーンと差別化していくときには、正社員比率を高めてよりリッチな接客やより面白い料理を提供することで付加価値を高めようという戦略を取るので、そういう企業にはわれわれのサービスが刺さっていると考えています。しかも、今は利用者側も、オリジナリティのあるお店で食事をしたいという傾向が強くなっているので、ミドルチェーンが活況を呈しています。

われわれのサービスを利用する求職者の約半数は料理人系で、残りの半数がサービスやマネジメント系です。料理人の場合は特に最終的に独立したいと考えている人が多いので、自分がやりたいお店に近いとか、業者とネットワークを作れるとか、そういう要素を重視します。その場合、給料よりもオリジナリティのある良い料理を出しているかが重要になります。なので、われわれも加工食品をどのくらいの割合で使っているのかなど、様々な情報を集めて資料として使っています。一方、サービスやマネジメント人材の場合は、福利厚生や待遇給与額やキャリアパスといった要素を重視するので、一般的なホワイトカラーの転職者に志向性が近いです。

いずれにしても、データマッチングだけで終わらず、店舗でどういった働き方ができるのか、企業の奥にある店舗をどれだけ知っているのかが重要になります。条件面だけしか語れないと、求職者に「このコンサルタントは何も知らない」と思われてしまいますから。

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