藤野:代表的な仮想通貨のビットコインは、昨年12月に1BTC=250万円を超えるところまで値上がりして、1月18日に一時100万円を割り込みました。確かに大暴落ですが、まだ10分の1までは下がっていない。この水準まで下げても、まだ含み益状態の人もいるでしょうから、まだ売られるかもしれませんね。この下げを目の当たりにしたら、含み益状態の人はさっさと利益を確定させたい気持ちになるでしょう。
仮想通貨とブロックチェーンは「自動車と道路」の関係
中野:学生からすれば、株式投資に比べて気軽にできるのが、仮想通貨取引の魅力なのでしょうね。でも、仮想通貨って投資というよりも、ギャンブルに近いのでは? 本来なら規制を強化すべきだと思うのですが、仮想通貨が「フィンテック」の1つのジャンルになっているから、金融庁も安易に規制の声を上げにくい面があるのではないかと勘繰りたくなります。
藤野:規制の網を掛けるにしても、仮想通貨と、そのプラットホーム技術であるブロックチェーンは別物として考える必要があります。
中野:仮想通貨とブロックチェーンって、イコールの関係にあるというイメージが強いですよね。
藤野:ブロックチェーンが道路で、仮想通貨が自動車という関係ですね。ブロックチェーンは将来の社会インフラになりうるもので、さまざまな商取引や、各種データのやりとりなどを記録していく技術です。仮想通貨の実現に必要な技術が、たまたまブロックチェーンだったわけです。今後は、この技術を通じて、さまざまな商取引、決済などが行われるようになるでしょう。
仮想通貨に関していえば、現状、原資産の価値を裏付ける担保がないという点で、その価格形成はどうしても投機的になりがちだし、価値が不安定なのですが、この問題さえクリアされれば強みを発揮するのではないでしょうか。以前、この連載で「アマゾンコイン」の可能性について取り上げましたが、アマゾンという世界最強の流通業者の信用力を背景にした仮想通貨が本格的に流通すれば、米ドルや円など法定通貨の存在すら脅かす存在になるのではないでしょうか。
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