トップ3はいずれもメーカーだが、存在感では総合商社も負けていない。4位三菱商事(1286人)、5位三井物産(1209人)、6位住友商事(1101人)、10位丸紅(907人)と、トップ10に4社がランクインした。
7位には三井住友銀行(1083人)がメガバンクで唯一ランクイン。三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行(みずほフィナンシャルグループ)は、非回答につきランク外となっているが、実態は同程度の水準と考えてよさそう。
このように上位にはいわずと知れた大企業が並ぶ。もちろん、事業規模が大きく従業員の「人数」が多いのは当然、との見方もあるだろう。
海外勤務者比率ではJETROがトップ
ここで、従業員に占める海外勤務者の「比率」に注目すると、先ほどとは違う景色が見えてくる。トップは、日本貿易振興機構(JETRO)で、比率は39.7%(ただし海外勤務者数は現地スタッフを含む)。また、総合商社は各社20%前後と、比率でも上位だ。なお、総合職に限定すれば、さらに高い値だと考えられる。ほかには、商船三井などの海運、東洋エンジニアリングなどのプラント建設、伊藤忠丸紅鉄鋼などの専門商社が浮上する。このように比率では、BtoBの業界・会社が目立つのも特徴だ。
海外に事業展開している会社であれば、長い目で見ると海外で働けるチャンスがあるはず。ここで、最新の会社四季報(2018年1集)に掲載されている海外売上高比率に着目すると、18位村田製作所(560人、海外売上高比率92%)、59位TDK(281人、海外売上高比率91%)、170位太陽誘電(125人、海外売上高比率90%)などが9割以上となっている。大手の金融や食品が国内市場の頭打ちなどを理由に、海外へと活路を見出す中、こうした会社は「海外で働けるか」に加え、成長の観点で見ても優位かもしれない。
3月1日の広報解禁まであと1カ月余。その間に企業研究を仕上げられるかが、就活の明暗を分けるといっても過言ではない。どんな会社があるかを知り、自分の会社選びの基準がまとまっていないと、エントリーシートすらまともに書けない状態に陥りかねない。「こんなはずじゃなかった」と後悔することだけは避けてほしいところだ。
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