アジアで急成長する、米ティファニーの秘密 注目の海外企業【第3回】

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

結果的に、過去25年間にわたり高い粗利益率が維持され、最終損益が赤字になったのは1994年のみで、多少の増減はあるが最終利益を伸ばして今日に至っている。

2013年の営業利益の29%は日本で稼ぐ

さて、ティファニーは1990年代に日本に進出した。ルイ・ヴィトンが1970年代に進出したことを考えると、特に早かったというわけではない。93年の日本での売上高は1400万ドル(総売上高の3%)だったが、2013年には6億4000万ドル(同17%)にまで増えている。最近3年間は中国、韓国など日本以外のアジア・太平洋地区の売り上げが急拡大し、2012年と2013年は日本での売り上げを大きく上回るに至っている。この地域で拡大する前までは、ティファニーの海外売上高は総売上高のほぼ40%に維持され、そのうちの半分以上が日本での売り上げだった。

長らく、日本は米国に次ぐ高級ブランド品の消費国として知られてきた。したがって、ティファニーにおいて日本での売り上げのウェイトが高いことは驚くにはあたらない。

ただ、日本での利益率が高いことは注目に値する。すなわち、地域別の売上営業利益率(営業利益÷売上)を比べると、日本は32%と最も高い。これは、米州の19%よりかなり高く、全地域平均の22%に比べても、かなりの格差がある。利益率の高さは、日本では価格帯が比較的高いブライダル関連ジュエリーのウェイトが高いこと、日本の店舗のほとんどが大手デパート内に出店していることなどと関係があるかもしれない。

次ページ在庫水準が高い理由
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事