4か月で株価3倍!米テスラモーターズの挑戦 注目の海外企業(1) 夢のエコカーから大衆車へ

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テスラモーターズの第2世代モデルと、イーロン・マスクCEO

2008年、米国の電気自動車(EV)ベンチャー、テスラモーターズ(以下、テスラ)の最初の車が売り出された。このスポーツカータイプのモデルは、究極のエコカーであると同時に、ネット時代のハイテク機能を装備している夢の乗り物で、ハリウッドセレブがこれに乗り換えたことで話題になった。まるでジェームズ・ボンドのアストンマーチンのようだが、はたして映画に出てくるような「夢」で終わるのだろうか?

 

第2世代モデルから離陸が始まった

テスラは2008年発売の第1世代のモデルの製造を2012年1月に中止した。発売2年目以降も年間500~800台程度しか売れず、採算に合わなかった。

第1世代モデルの製造中止と同時に第2世代のセダンタイプの新モデルが発表され、2012年6月より出荷が始まった。最初の3カ月間(2012年6~9月)こそ、出荷台数は250台にとどまったが、その後の3カ月間(2012年10~12月)には2400台まで増え、年末には週当たり400台のフル生産になった。

こうなると収益も目に見えて改善し、粗利益段階(売り上げから製造原価を差し引いた残りの利益)で黒字化した。さらに、2013年1~3月にその前の3カ月間の2倍近い4750台以上を出荷すると、粗利益は大きく増え、営業利益段階(粗利益から販売管理費や研究開発費を差し引いた残りの利益)でも赤字が大幅に縮小した。このとき、営業キャッシュフローは初めて黒字となり、いくら売っても最終的におカネが残らないという状態は脱した。

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