4か月で株価3倍!米テスラモーターズの挑戦

注目の海外企業(1) 夢のエコカーから大衆車へ

20世紀は米国自動車産業の栄光と凋落の世紀だった。デトロイト市の人口流出と財政破綻が、凋落を象徴していると言えるだろう。これに比べると、テスラの歴史は21世紀の初頭、2003年にスタートしてから、まだたったの10年にすぎない。

EVの担い手はシリコンバレーのベンチャー

テスラはEVの専業メーカーである。もちろん、ガソリン車は作っていない。同社の本拠地はカリフォルニアだ。米国最大の自動車市場であり、排ガスゼロ車を義務づける法律を早くから制定したことでも知られる地である。さらに、シリコンバレーは電子技術者の人材の宝庫で、これはテスラの事業展開にも有利に働いたはずだ。

さて、あらためて、EVという製品の特色を考えてみよう。EVは電気を外部から充電し、電気をバッテリーにためて、それを用いてモーターを動かして走る車である。ガソリンをまったく使わないため、二酸化炭素の排出はない。

モーターはエンジンと違って比較的簡単に開発・製造できる。さらに主要部品は電池パックだが、リチウムイオン電池セルは、パソコンや携帯電話などで使用するものがすでに汎用化された技術となっており、テスラはパナソニックから購入している。このように、EVの開発・製造には既存の自動車メーカー以外が参入できるチャンスが大きく、実際、シリコンバレーの多くのベンチャー企業が参入を試みた。

それでは、テスラはどのように資金を調達し、EV事業に参入したのだろうか。当初は投資家の出資と将来の購入者の予約金(1台につき最低5000ドルという)により資金を調達した。製造プロセスは英国ロータス社でボディとシャシーを作り、それに米国内で電動システムを搭載するというものだったので、最初のモデルが出荷された頃の設備投資額はそれほど大きくなかった。

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カーリング人気萌芽の時代から、平昌五輪での銅メダル獲得まで戦い抜いてきた著者。リーダーとして代表チームを率いつつ、人生の一部としてカーリングを楽しめるにまで至った軌跡や、ママさんカーラーとして子育てで得た学びなどを語る。