4か月で株価3倍!米テスラモーターズの挑戦 注目の海外企業(1) 夢のエコカーから大衆車へ

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さらに、カリフォルニア州をはじめとする州内での排ガスゼロ車への転換支援では、生産台数のうちの義務台数を超えたEV生産台数について排出権をほかの自動車メーカーに売却することができ、テスラも排出権売却収入を計上している。また、排ガスゼロ車の購買意欲喚起のために、EV購入者には現行モデルでは1台7500ドルの公的補助金が与えられている。

シェール革命で停滞か、それとも市場急拡大か

このような政策的なサポートは今後とも続くとはかぎらない。2008年にオバマ大統領は2015年までにEVを100万台普及させると公約したが、すでにトーンダウンし始めているとも言われている。

たとえば、昨今の米国内でのシェールガス・シェールオイルブームはエネルギー需給に大きな影響を与え始めており、中東情勢に左右されるガソリン価格の上昇リスクから解放される可能性もないわけではないからだ。今の1バレル当たり90~100ドルの原油価格の水準が大幅に下がるようなことがあれば、エコカーへの関心が薄れないとも限らない。

一方、EVへの需要が高まり、大衆化の道が見えてくると、その先に何が起こるだろうか。まず、あらためてEVへの参入が加速するだろう。エンジン車との競争の中で、自動車産業全体の再編が進む可能性は高い。裾野の広い従来の自動車産業の構造が変わると、その影響は極めて大きいはずだ。

また、自動車革命によってガソリンや電力の消費構造が変わることで、さらに、産業全体の構造変化がもたらされるかもしれない。テスラのEVが顧客の支持を集め、株式市場での評価も高まっている今日、その先に自動車産業にとどまらない、産業全体の新たな景色が見え隠れしている。

(撮影:Paul Sakuma)

児玉 万里子 財務アナリスト

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こだま まりこ

こだま・まりこ■津田塾大学卒業。1978年三國事務所に入社、債券格付けなどに従事し、2009年独立。現在はフリーの財務アナリストとして財務諸表分析、財務戦略、企業評価、信用リスク管理などのコンサルティング業務、講演などを行う。専修大学非常勤講師

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