シェールガス革命で、日米の黄金時代が到来 太陽光発電は、次世代エネルギーの「本命」ではない
『図解シェールガス革命』(小社刊)を書いた泉谷渉氏が、日本のエネルギー事情を論じる短期連載の第3回(最終回)は、シェールガス革命と太陽光発電について(過去の分はこちら→第1回、第2回)。太陽光発電は、自然のエネルギーとはいえ、石油などに比べてkWhあたりのコストが高い。一時、中国勢が席巻するかに見えた太陽電池市場も、バラ色ではないことがわかってきた。こうした状況下で米国発のシェールガス革命が世界を覆い始めた。泉谷氏は「米国のエネルギー+日本の技術」で、再び日米主導の時代がやってくる、と力説する。
太陽電池の覇者は今や中国である。再生可能新エネルギーの代表格といわれる太陽電池は、当初日本勢が強く、2005年には生産量トップ5のうち、4社を独占していた。
中国の太陽電池メーカーは、ほとんど赤字に
その後、ドイツのQセルズ社が世界チャンピオンになり同国が台頭してきたが、この2年間で中国勢は雨あられの設備投資を断行し、今や世界の太陽電池市場において63%の圧倒的なシェアを持つにいたった。ところが今年3月、世界首位のサンテック(中国)が経営破綻し、中国の太陽電池メーカーはほとんど大赤字であることが浮き彫りになってきた。
加えて、最大市場の欧州においては中国メーカーの安売りが大問題視され通商摩擦が激化し、中国の太陽電池各社は一気に苦境に陥ってきた。ここでまたもや中国お得意の公共投資による救済がアナウンスされた。何と中国政府は2015年末までに太陽光発電の導入量を従来計画より1400万キロワットも上方修正し3500万キロワットにするというのだ。政府主導で内需拡大を後押しし、新エネルギー産業の立て直しを狙うとみられるが、はてさていかがなものか。
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