フェイスブックの株価は、なぜ高騰したのか “弱み”だったはずの「モバイル広告」が急拡大
世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)として知られる米フェイスブック(Facebook)に対する株式市場の評価が様変わりしている。2012年5月の上場以来、「スマホに乗り遅れてマネタイズ(収益化)に失敗している」との懸念から株価は低迷。上場初値の42ドルをピークに20ドルを割り込む水準まで売り込まれ、その後も30ドル近辺をフラフラしていた。
しかし、今年7月24日に発表した第2四半期(4~6月)決算ではモバイル広告(=スマホ向けの広告)が急伸し、全広告収入に占める比率は41%(第1四半期は30%)へ上昇。モバイル広告の貢献で、広告収入も対前年同期比61%増の15億9900万ドルに達した。この実績により、フェイスブックはスマホ時代にもマネタイズ(収益化)できることを証明した。株価は急上昇し、9月に入って初値の42ドルも突破。9月25日時点の株価は49ドルを超えている。
ユーザー数の増加も続いている。6月末時点で、月に1回以上ログインする月間アクティブユーザーは前年同月末比21%増の11億5000万人、1日1回ログインするデイリーアクティブユーザー数も同27%増の6億9900万人になった。しかも月間アクティブユーザー11億5000万人のうち8億1900万人がモバイルユーザー。つい数カ月前まではモバイルユーザーが増えることはフェイスブックにとっての逆風と見られていたが、今では成長の追い風そのものだ。
ニュースフィード広告の爆発力
フェイスブックは、なぜモバイルの収益化に成功したのか。その秘密はフェイスブックのメイン画面である「ニュースフィード」に通常の記事のような形で表れるニュースフィード広告が、うまく浸透したことにある。それまではパソコン画面右の専用枠が広告ビジネスの中心だったが、2012年1月からニュースフィードへの広告掲載を開始。これにより、パソコン、モバイルの双方に同一の広告を表示できるようになった。
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