ハーバード生が持つ、”ウザい”という才能

頭のよさ、学歴だけで、世界は回らない

行動力で道を切り開く猛者たち

実際のところ、こうしたやり取りが、即、合格につながったのかどうかは定かではない。ただ、どうしても無縁とも思えない。MBA受験を制する秘訣は行動――。そう言い切ってもいいのではないか。

自分の強みをありとあらゆる手段でアピールする、自分の弱みを補うために周囲の方々にサポートをお願いする、人とまったく違った経験を積む。テストスコアは審査項目のごく一部で、それ以外のアクションが合否を決める。

実際、私以外でも、行動力を武器に合格を勝ち取った人を多く知っている。たとえば、London Business School(LBS)という欧州のトップビジネススクールに合格した友人。彼女は、LBSが第1志望であったが、審査の結果、保留扱いになってしまった。

しかし、彼女はそこで落胆するのではなく、真っ先にロンドンに飛んだ。なんと現地で声をかけた在校生や教授とネットワークを作り上げ、自分がLBSに通うことが当然であるかのような雰囲気、“既成事実”を作り上げたのだ。彼女は、多くの在校生から入学審査官に直接推薦してもらい、補欠扱いから一転、見事合格を勝ち取ることに成功した。

別の友人は、MBA受験を意識し始めてから、短期間で尋常ではないネットワークを築いた。欧米のビジネススクールの、日本人の主要な卒業生ほぼ全員と知り合いになり、多くの人に受験準備を支えてもらった。その中には有名な上場企業の社長さんの姿もあった。その友人はそうした、ある種”雲の上の人”にも個別に相談に乗ってもらいつつ、受験準備を進めた。そして見事、第一志望への合格を果たしたのだった。

MBAの受験は、試験の出題傾向の分析もできなければ、ここまでやったら合格という目安もない。ある意味、なんでもありな世界で、戦い方も人それぞれだ。周りのやり方と違うことを恐れず、自分自身がこれだと思うやり方を思い切って突き詰めていったほうが、よっぽど可能性は高いように感じる。

何をおいても、武勇伝

ハーバードのクラスメートと話していると、彼らのずば抜けた行動力に驚かされることが多い。新入社員にもかかわらず、新規事業を提案し、社長を説得する、タンザニアでNPOを立ち上げる、ベンチャー企業に直談判して中国展開を担当させてもらう、といった武勇伝がゴロゴロ転がっている。

全般的にケースメソッドで教えられるHBSでは、成績の50%が授業中の発言で決められる。それもあって、少しでも多く発言しようと、全員がとにかく競って手を挙げる。そして、教授に指された人は、いかにユニークな視点から発言するかに知恵を絞る。

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