「米国株は高すぎる」と言える「3つの理由」 「従来の壁を超え新次元に突入」は正しいか

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2018年に入ると、大発会の大幅高を含め、再度「マーケット・吊り上げ作戦」が開始されたようだ。

ただし、昨年と違うのは、買い一辺倒ではなく、売り買いがいくばくか交錯しているように思われる。それは、ファーストリテイリング、ファナック、ソフトバンクといった、日経平均に影響を与えやすい値がさ株の上振れや下振れに極めて作為的に表れている(しかも諸報道によれば、そうした値がさ株の売り買いは、海外短期筋の主導だという)し、日経平均先物に売りを入れる短期筋も増えている。

このため、2018年に入っては、2万4000円を超えても、日経平均がその水準でなかなか定着しない展開となっている。すなわち、年初の「マーケット・吊り上げ作戦」により、「遠すぎた橋」は2万3000円から2万4000円に1000円以上の幅で動いたが、やはり年初の株価上振れには、実態とかい離した無謀な部分がある、ということなのだろう。

カギを握る「米国株」と「米ドル」

とは言っても、たとえばTOPIXの予想PER(株価収益率)などでみると、足元の日本株は、業績と比べて割安とは言い難いが、目くじらを立てるほど割高でもない。したがって、もし日経平均株価の「お化粧」がはげ、「遠すぎた橋」からの撤退作戦が始まるとしても、その材料は日本国内ではなく、海外発だろう。それは、米国株価の下落や、それが引き起こす米ドル安・円高により、海外勢(主として短期筋)の日本株売りがかさむ展開だと考えている。

ではなぜ、「米国株価が下落すると予想している」かだ。この主張は本コラムで昨年秋以来一貫してきたが、米国株が高すぎることによる。S&P500株価指数の足元の予想PER(ファクトセットによる企業収益予想の集計値に基づく)は、先週時点(1月19日(金)に終わる1週間の平均値)で21.7倍と、2006年来の上限である18倍を、はるかに超えている。

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