「景気の先行指標」工作機械は空前の大活況だ 受注額は過去最高、産業用ロボットにも波及

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ただ、殺到する受注に対して生産が追いつかない現状もある。工作機械のドリルの位置決めなどに使われるリニアガイドやボールねじといった主要部品の供給不足もあり、納品までに時間がかかっている。昨年12月の受注高が82億円と、前年同期比で2倍になった旋盤大手のツガミは、「納期の後ろ倒しを見越した、前倒し受注が発生しているようだ」と見る。

ロボットは1兆円台へ

設備投資の勢いは、ロボットにも波及している。

日本ロボット工業会は、2018年の産業用ロボットの生産額見通しを1兆円とした。ここ数年7000億円前後だったが、昨年は約3割増の9000億円に到達。今年は初の大台突破を目指す。一方、国際ロボット連盟は2018年まで世界の市場が年率15%で成長すると見込んでおり、「1兆円でも控えめな数字」(業界関係者)という声も上がる。

ロボットや産業機械を手掛ける不二越は1月11日、2017年11月期の本決算を発表。ロボット売上高は前期比1.5倍の341億円で着地。今期計画は11.2%増の380億円で、2期連続の2ケタ成長を見込む。

産業用ロボットは従来、自動車の生産ラインで活用されてきたが、人件費の高騰や人手不足を背景に、電子部品の組み立てや食品調理などの現場でも、人力だった作業をロボットに置き換える動きが広がった。

ロボット大手、安川電機の小笠原浩社長は、「中国を中心に、自動車以外の幅広い産業においても工場の完全自動化の需要が大きい」と話す。現地では競争力を確保するため最新機種を求める顧客が多く、日本勢の優位性もあるという。

各国で製造業の生産指数も上がっている。機械業界への追い風はまだやみそうにない。

宇都宮 徹 東洋経済 記者

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うつのみや とおる / Toru Utsunomiya

週刊東洋経済編集長補佐。1974年生まれ。1996年専修大学経済学部卒業。『会社四季報未上場版』編集部、決算短信の担当を経て『週刊東洋経済』編集部に。連載の編集担当から大学、マクロ経済、年末年始合併号(大予測号)などの特集を担当。記者としても農薬・肥料、鉄道、工作機械、人材業界などを担当する。会社四季報プロ500副編集長、就職四季報プラスワン編集長、週刊東洋経済副編集長などを経て、2023年4月から現職。

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