民進系野党、「近親憎悪」はかえって深まった 希望・民進の統一会派構想は一転白紙に
細野氏への反感は以下のような形でも表面化している。たとえば、野田佳彦元首相は昨年11月27日に「股くぐりの真相」と題したブログの文章で、「三権の長経験者は遠慮してもらいたい」と希望の党への公認申請を辞退するように促した細野氏から「あれは上(小池百合子東京都知事)からのやむをえない指示」と弁明されたことを暴露している。
かねてから細野氏と馬が合わないと言われていた岡田氏も、「細野氏が希望の党から出ていけば、岡田氏は希望の党との連携を認めてもいいと考えているのではないか」と言われていた。
岡田氏の態度が180度変わった理由は?
16日に開かれた会見で民進党の増子輝彦幹事長は、「本日の役員会では無所属の会の岡田代表は地元日程のために欠席したが、審議に関与したので、内容には納得している」と述べ、希望の党との統一会派結成に反対しているとは認識されていなかった。その態度が180度変わったのは、同日からインフルエンザのため静養している細野氏が、希望の党残留を表明したからかもしれない。
「けじめをつけるべきだ」。17日午後、衆議院議員会館の中で岡田氏はこう述べた。この言葉は、希望の党と連携するためには、細野氏らが抜ける必要があるとの思いを込めているのだろうか。尋ねると、岡田氏は「それは言えない」と述べて自室に入っている。
思わせぶりな岡田氏とは対照的に、安住氏は本音を隠そうとはしない。両院議員総会の後、安住氏は民進党の議員に向かってこう述べたという。
「これはね。権力闘争なんだ」。16日夜には、立憲民主党の枝野幸男代表が自由党の小沢一郎代表と2時間半にわたって会談した。「これからの協力を話し合った」とされるが、万が一希望の党と民進党の統一会派が実現した場合、立憲民主党は野党第一党からすべり落ちる。その場合、リベラル勢力はどのように対処し、連携していくべきかという内容を話し合ったと思われる。
近親憎悪と打算の狭間で、虎視眈眈と次の展開が練られている。果たしてそれで日本の政治は変わるのか。コップの中の争いに興じるだけの野党の姿を目の当たりにした国民の多くは失望するしかないだろう。
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