ローソンが「低糖質コンビニ」に込める狙い 40日間限定で営業する実験店舗の中身とは?

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実験店の外ではローソンの看板商品である「からあげクン」がロカボ商品であることがアピールされていた(記者撮影)

ナチュラルローソン業態で開発した商品の中にはヒット商品も生まれた。代表的なのは2012年に誕生したブランパンだ。通常のパンに不可欠な小麦粉や砂糖は糖質が高い。小麦粉の代わりに穀物の外皮、大豆の粉などを使用、砂糖の代わりに牛乳やバターの風味を強調することで低糖質のパンを作り上げた。

販売1年目は売り上げが伸び悩んだものの、2年目から低糖質であることをパッケージで訴求し、ヒットした。売上高は毎年2ケタペースで伸び、2017年度のブランパンシリーズの販売高は65億円、販売数は4800万個を見込む。リピート購入率も通常のパンが20~25%なのに対し、ブランパンは46%と高い。

そのほか、2015年に発売したチルド飲料「グリーンスムージー」も1秒に1本売れるヒット商品に成長した。東京都内でローソン店舗を運営する加盟店オーナーは「健康関連商品は買い上げ点数が多く、リピート率も高い」と語る。

首位セブンとの差は小さくない

竹増貞信社長(写真中央)は「(今回の実証実験の取り組みが)買い上げ点数の向上につながるという点は特に考えていなかった」と述べた(記者撮影)

こうした健康関連のヒット商品を生み出している一方で、店舗売り上げの動向は芳しくない。ローソンの全店日販(1日当たり1店売上高)は54.4万円(2017年3~11月累計)と、約5年間は横ばいで推移しており、目標に掲げる60万円や首位セブン-イレブンの65.9万円(同)にはほど遠い。

前出の加盟店オーナーは「商品の知識を身に付けたり、売り場作りを担う人手が足りていない。勤務シフトを回すことに精いっぱいで、現場レベルで商品の訴求にまで手が回っていないオーナーが多い印象だ」と話す。

今回の丸の内での実証実験は、老化物質の測定機器や管理栄養士が駐在という差別化ポイントはあるものの、全国のローソン店舗にこうした取り組みを広めていくのは簡単ではないという。

昨夏に行った東洋経済のインタビューで竹増社長は伸び悩む日販について、「過去にもヒット商品はあったが、あくまで単品として消費者を引き付けるマグネットにしかなっていなかった。人気商品だけではなく、売り場をしっかりと作り上げているという部分で、チャレンジできていないところがあった」と語っていた。

健康関連商品を投入するだけではなく、本部と加盟店が一体となった売り場作りが実践できなければ、セブンとの差は縮まらないだろう。

常盤 有未 東洋経済 記者

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ときわ ゆうみ / Yuumi Tokiwa

これまでに自動車タイヤ・部品、トラック、輸入車、楽器、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。

現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネス、フットサルにいそしむ。

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