「黒塗りメイクは世界では人種差別行為だ」

在日13年の黒人作家が書き下ろした本音

たいていの日本人には外国人と直接触れ合う機会がないため、メディア、主にジャーナリストや影響力のある人々に大きな責任があることは疑いようがない。つまり、私たちのイメージや評価はもっぱら彼らの手にゆだねられている。ブラックフェイスは、無頓着さと、グローバルコミュニティへの参加に必要な認識や感受性の欠如を反映している。メディア業界は、自らが独立した存在であると考えているかもしれないが、事実はそうではない。

日本が世界からのけ者にされないために

日本におけるメディアの一部として、自分にも、この責任の一端はある。だからこそ私は当初から、日本に住むアフリカ系の血を引く人々のもう一つのイメージ、つまり、この国のメディアがせっせと広めてきたさまざまな外国人についての間違った情報を打ち消すようなイメージを提示することで、自分の責任を果たそうとしてきた。私たちはおとぎの国の親日派でも、エキゾチックな異邦人でも、要警戒の怪しい人物でもない。私は外国人の経験やものの見方の多様性を示すことで、こうした情報に基づいて外国人が誤解されるのを解くよう、さまざまな取り組みを行ってきた。

現在の時代精神 (トランプ、ブレグジットなど) はさておき、日本は、すでに危険なまでに不寛容へと向かう世界にどのように関わりたいかを自問しなければならない。不寛容へ向かう傾向の結果を私たちは見てきているし、それはかんばしいものではない。

また、これには国民的な議論も必要である。だが、事実が公に提示されなければ、また、公に国の将来に関する議論への積極的な参加が促されなければ、これは実現しない。日本が土俵際まで追い込まれるのを待っていては、手遅れになるだろう。日本にはこの点で先見の明があることを願いたい。

日本は私にとって大切な国であり、わが家だ。日本の友人や家族は私が知る人の中でも最高の人たちである。この国からは、返しきれないくらいに、多くのものを与えてもらった。そして私はこの国を深く愛している。

だが、その愛は見境のないものではない。愛するわが家を世界ののけ者の立場に追いやるリスクがある問題を、黙って見ていることはできない。日本は世界から迫害されるべきではないし、日本にはそれを回避する力がある。友人や愛する人を中傷から守るために、自分でできるあらゆる手段を尽くして擁護したいと思っている。

だが、日本の運命を決するのは、究極的には日本人の手にかかっている。そして、ブラックフェイスを過去の遺物とすることは、最初の一手として最適な象徴的行為となるだろう。

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