みずほFG、新社長に坂井みずほ証券社長就任 1万9000人の人員削減等リストラの実行役に

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 1月15日、みずほフィナンシャルグループは、4月1日付で佐藤康博社長が会長兼執行役となり、後任にみずほ証券の坂井辰史社長が就く人事を発表した。写真は都内で昨年1月撮影(2018年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

[東京 15日 ロイター] - みずほフィナンシャルグループ<8411.T>は15日、佐藤康博社長が会長に退き、後任にみずほ証券の坂井辰史社長が就く人事を発表した。4月1日付。坂井次期社長は「足元の基礎的収益力の低下に対してどのように対応するのか」と述べ、収益力の向上に取り組む考えを示した。

佐藤氏は2011年に持ち株会社社長に就任。旧日本興業銀行出身で、旧富士銀行、旧第一勧業銀行の3行が統合したみずほを率いて、ワントップ体制を確立した。16年からガバナンス改革の総仕上げとして、傘下の銀行、証券、信託などの各業務に法人やリテールなど顧客別に横串を通すカンパニー制を導入したものの、収益力の低迷に苦しんでいる。

このため、昨年11月には今後10年で1万9000人を大幅削減するなどの構造改革策を公表し、抜本的なコスト削減を打ち出した。みずほは、坂井次期社長のもとで改革を進めることになる。

坂井氏は84年、旧興銀に入行。国際部門や企画部門を経験し、2016年にみずほ証券社長に就任した。坂井氏の後任には、みずほFGで企画を担当する飯田浩一常務が就任する。

会見で、坂井次期社長は「みずほの基礎的収益力の低下にどのように対応するのか」とし、「金融業を取り巻く構造が大きく変わっていく中、トップラインを強化し、新しいビジネスを創造していく」との方針を示した。さらに、構造改革を達成した10年後の新しい金融グループのあるべき姿を描きたいとした。

収益力低迷の原因については「構造的にはコストの問題も大きいが、リスクテイクに関するスタンスが守りの姿勢に傾きがち。役職員の意識改革を進めていかなければならない」と説明した。

佐藤社長は金融ビジネスの変化を強調し、「金融情報産業化が進む。それを担っていくためには新しいリーダーが必要」と語った。

佐藤社長は就任してから7年。旧行の確執が取り沙汰されてきた中で「(持ち株会社、旧みずほ銀、みずほコーポレート銀行に分かれた)3トップが失敗の原因だと思ったし、今も思っている。意思決定は1本に統一されて、1人が最終責任を取らなければならない」と振り返った。今後について「会長になるが、代表取締役は絶対に務めないと指名委員会に言ってきた。ワントップは坂井氏が引き継ぐ」と説明した。

(布施太郎※)

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