「ボキャ貧」家庭の子は大体、国語で苦労する

どうすれば状況を変えられる?

多様なものの1つとして、「家庭内のボキャブラリーの質と量」があります。筆者はそれに注目しているのですが、なぜかというと、東大生たちと話をしていて、彼らが非常にボキャブラリーが豊富だと気づいたことがあるからです。東大生に限らず、国語のできる子と話をしていても同様の印象を持ちます。海外では、Thirty Million Words Initiativeという活動があり、子どものボキャブラリーの数と学力や年収が大きく関係するという考えから、子どものボキャブラリーを増やす活動も行われています。

ボキャブラリーが豊富であると、1つのことを語るのに、さまざまな言葉や表現を使うことができ、言い換えることもできますし、人が話す言葉の意味を正確に捉えることもできるため、理解力も高くなります。このことは容易に想像できることでしょう。

これは筆者の空想になりますが、たとえばAmazonやAppleあたりの企業が、「置いておくだけでその家庭のボキャブラリー数が計測できる人工知能搭載の機械(仮称:ボキャブラくん)」を開発したとします。随分と家庭によって異なることがわかることでしょう。

ある家庭では大体100語のボキャブラリーで日常会話がされている、ある家庭では300語、ある家庭では1000語など、びっくりするほど家庭内のボキャブラリーに差があることに驚くことでしょう。「このボキャブラリーの質と量は子どもの学力と相関関係がある」というビッグデータが出てくるかもしれません。

「あなたの家庭ではボキャブラリー数が非常に少ないため、今後あなたのお子さんは勉強できなくなる可能性がありますので、ご注意ください」などという笑い話のようなメッセージを人工知能ボキャブラくんが発する日も近いかもしれません。

ボキャブラリーはどこで獲得する?

さて、話を元に戻しますと、要するに、「ボキャブラリーの質と量は、国語力を伸ばすために重要な要素である」ということをお話ししたかったのです。では、そのボキャブラリーはどこで獲得するのでしょうか。

通常考えられるのは、学校と家庭でしょう。明確に分けることは難しいですが、一般に人工的に獲得する場が学校で、自然に獲得する場が、家庭でしょう。学校では授業という形で、学びます。そのような授業では一様に同じことを学びますが、それを実際に活用する子としない子に分かれます。そこでボキャブラリーに差が出ます。しかし、私はこの差以上につく差が、家庭内のボキャブラリーの差ではないかと考えています。毎日自然と現実的に話されるボキャブラリーこそが、血肉化していくものであると考えているからです。

次ページ読書に頼らずにボキャブラリーを増やすには…
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