ネット炎上を「神対応」評価に変える条件は? エルテスの菅原社長に聞く、最新の炎上事情

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投稿した本人も特定され、詳細な個人情報がアップされる制裁を受けるのも炎上の特徴。有名人の来客をツイートした女子大生は、問題ツイートの約4時間後には2ちゃんねるにスレッドが立ち、瞬く間にミクシィのアカウントが発見され大学名が特定、グーグル検索で本名もさられた。

さらにフェイスブックのアカウントも発見され、顔写真も出てしまった。すぐに各アカウントも変更・削除を行ったが、後の祭りだった。

投稿者には被害者でもバッシング対象となり、個人情報を特定されるリスクがある。ペヤングの焼きそばへの異物混入を指摘した件では、「食いたかったのに、出荷停止になって、ふざけんじゃねえ」などと出荷停止に怒る攻撃者も現れ、被害者の個人情報を特定する動きもおきた。

「昔はお客さま相談室に行っていたものが、いきなりツイートに出るようになっている。ヘルプラインも、会社に一報入れるところを、まず、ネットというようになっている」(菅原社長)

電凸攻撃には対応に注意が必要

炎上が起きた場合、攻撃はネットでのつぶやきにとどまらない。直接に電話をかけて文句をいう、非難をする「電凸」(でんとつ)も一般的になっており、業務に支障を来すケースもある。個人であれば、さらに被害は重く、社会生活が送れなくなる事態に陥ることもある。

「大企業では耐えられるかもしれないが、気を付けなければいけないのが、音声を記録されている点。変な対応をした場合、それをネット上にアップロードされ、2次被害にあうケースもある」(同)

こうしたことは日常茶飯事という。2次被害も様々なケースがあるようだ。

「社長が現場のせいにして、現場が会社の指示だったと語り、社内マニュアルを流出させて2次炎上するケースもあるし、謝罪文自体に赤ペン先生みたいに修正をかけられるケースもある。だから、ネットの論点をとらえて、その論点に対して謝罪しないと2次炎上してしまう」(同)

杓子定規な対応だと、かえってツッコミどころが多くなってしまうというのだ。ただ、対応がよければ、「神対応」と逆に評価されることもある。2017年で評価が高かったのが立憲民主党のツイート数水増し疑惑への対応だ。

「神対応という評価を生む要因はほとんどスピード。立憲民主党も早く、しかも正しく対応したことが大きい。客観的なツールを使って、フォローにはニセモノが入ることは他の政党も同じであることを説明したことで評価された」(同)

 企業でも参考になりそうな、適切な対応事例としては、ローソンチケットの「キャンセル騒動」がある。

当選したはずのチケットをキャンセルされたと憤ったツイートが一気に拡散され、一時バッシングを受けたローソンチケット側が、証拠としてあがったスクリーンショットが偽造であることをつきとめ、投稿者と1対1で話し合い、相手を攻撃することなく解決にもっていったケース。ネット上でのやり取りになるケースが多いなか、被害者を出さずに解決させている。

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