意外と知らない、トヨタの「カイゼン」の本質 コミュニケーションでも生産性は上げられる

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
改善を続けることでどのような組織になるのでしょうか(撮影:鈴木紳平)
トヨタの「カイゼン」は結局のところ、何がすごいのか? 現在、40年以上の現場勤務の経験がある元トヨタの現場リーダーたちがコンサルタントとなり、製造業、食品、医療、金融、自治体などさまざまな業界・業種にトヨタメソッドを伝えています。その導入実績は350社を超え、多くの会社で生産性向上、利益工場の効果が上がっています。今回はその内容をまとめた実践書『トヨタの現場力 生産性を上げる組織マネジメント』から、トヨタメソッドの「本丸」――改善の本質についてご紹介します。

現状を常によりよい方向に改善

みなさんの職場風土を、ひと言で表現してみてください。「アグレッシブ」「成長志向」「安心・確実」……。さまざまな表現があるでしょう。同様に、トヨタであればどのような言葉をイメージしますか。おそらく、代名詞のように使われる「改善」が思い浮かんだ方も多いのではないでしょうか。

「改善」は海外でもそのまま“Kaizen”と表現されるほどに、現在は世界規模で取り組まれている日本のお家芸の1つです。元々は製造業で行われていましたが、今はサービス業などにも広がりつつあります。

トヨタにとって、「改善」は会社経営の根幹です。創業期からの価値観をベースに従業員の行動規範としてまとめられ、2001年に発表された「トヨタウェイ」にも、「知恵と改善」「人間性尊重」が2本柱として明記されるほどです。わかりやすく言うと、無限の可能性をもっている人間の力を最大限に活かすには、知恵を絞って現状を常によりよい方向に改善しようということです。

この考えはトヨタの行動規範として掲げられているだけではなく、実際に現場の日々の業務でも実践されています。だからこそ、トヨタの現場では以下のような言葉が脈々と語り継がれています。

「会社には仕事に行くのではなく、知恵を出しに行くのだ」
(常に現場では知恵を求められる)

「ムダな仕事をさせることは、その人の人生をムダにすること」
(部下の能力を最大限に引き出すことが、上司の役割)

「仕事とは、作業+改善である」
(決められたことをやるだけ(作業)では、仕事とは言えない)

今日はこの「トヨタの改善」を続けることでどのような組織になることができるのか、2つの観点からお伝えします。

次ページ「あるべき姿」の3つのレベル
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事