HV王者のトヨタがEVにアクセル踏み込む理由

2020年代前半に世界で10車種以上のEV販売

日産のEV新型「リーフ」。フル充電での航続距離は従来比4割増の400kmに伸ばした。(撮影:大澤 誠)

一方、日産自動車は早くからEVに着手。2010年に発売し、今年10月に初めて全面刷新した「リーフ」の累計販売は30万台に迫る勢いで世界トップだ。昨年ルノー・日産アライアンスに加わった三菱自は2009年に世界初の量産型EV「アイ・ミーブ」を発売し、ルノーもEV「ゾエ」が欧州で最も売れており、3社のEVの累計販売は50万台を超える。

米EVメーカーのテスラは普及価格帯に初めて投入した「モデル3」の納車を今夏から開始。同社は2018年にEV年産50万台を見込む。中国は国策としてEVメーカーの育成を進め、BYDなど新興勢力の台頭が著しい。

最近では、各国の環境規制強化を受け、海外メーカーはEVシフトを次々と打ち出している。自動車大手でEVシフトを最も鮮明にしている独フォルクスワーゲン(VW)はEV専用プラットフォーム「MEB」の開発を進めるとともに、2025年までにEVだけで50車種を投入する方針を2017年秋に公表。EVとプラグインハイブリッド車(PHV)で30車種としていた従来計画から一段とEVへアクセルを踏み込んできた。VWのマティアス・ミュラー会長は「自動車業界の改革を主導する」と宣言。2016年の新車販売台数でトヨタを抜いて初めて世界トップに立ったが、EVでも先頭を走る狙いだ。

独勢がEVシフトの流れを作り出す

独ダイムラーが2017年のフランクフルトモーターショ-で公開したEVの「EQA」。「EQ」はメルセデス・ベンツの「EV」専用ブランドだ(写真:Daimler)

VWだけではない。“ジャーマン3”と呼ばれるドイツ勢は意気軒昂だ。独ダイムラーは高級車「メルセデス・ベンツ」でEV専用ブランド「EQ」を立ち上げた。すでにAクラスのEV「EQA」を公開しており、将来は小型車から大型車まで全車種で電動化車両を選べるようにする。

独BMWも「MINI」ブランドのEVを2019年に投入するなどして、2025年までにEVを12車種に広げる。EVでは「i3」を2013年に発売しており、ハラルド・クルーガー会長は「われわれはEVのパイオニアだ。『iシリーズ』で培った技術の多くを転用できる。今後も野心的な目標を設定し続ける」と鼻息が荒い。このほか、スウェーデンのボルボ・カーが2019年以降、英ジャガー・ランドローバーも2020年以降に発売する新型車をすべて電動化するとしている。

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