これが鉄道の原点!今乗れる「客車列車」10選 SL列車以外で乗れる客車をピックアップ

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10)門司港レトロ観光列車「潮風号」&南阿蘇鉄道トロッコ列車
(福岡県・熊本県)

北九州の門司港レトロ地区に残っていた貨物専用線の廃線跡を再利用し、観光用トロッコ列車が走っている。運行を始めたのは2009年春のことである。トロッコ客車は、島原鉄道で使っていた元国鉄の貨車、トラ70000形無蓋車を改造したものだ。

小型のディーゼル機関車も元国鉄の車両だが、国鉄時代は機関車ではなく貨車の入れ換え作業を行うための「貨車移動機」として使われていた。それを南阿蘇鉄道(熊本県)が譲り受け、同鉄道ではトロッコ列車「ゆうすげ号」牽引用として活躍。新型車両導入により引退したが、門司港レトロ観光列車開業のため、再度のご奉公となったのである。小型機関車で非力なので、2両のトロッコ車両の前後に機関車が連結され、ゆっくりと進む。

門司港と南阿蘇、両方のトロッコ列車は車窓は異なるものの、似たようなシステムの列車である。南阿蘇鉄道は震災で、いまだ全線復旧していない。トロッコ列車は春から運転再開する予定なので、応援のためにも乗りに行きたいものである。

客車はまだまだ元気だ!

【番外】「ななつ星」「カシオペア・クルーズ」

かつての「カシオペア」。始発駅の上野に向けて回送中の姿(筆者撮影)

豪華列車がブームとなっているが、その火付け役となったJR九州の「ななつ星in九州」は、ディーゼル機関車牽引の由緒正しき客車列車である。古い車両の改造などではなく、機関車も客車も、この列車のために新造された点が素晴らしい。「カシオペア」も定期的な運行は終わってしまったけれど、特別な列車として、時折東日本の各路線を走っている。すっかり高嶺の花になってしまったけれど、まだまだ活躍してほしいものである。

今回はSL列車を除外したため取り上げなかったが、JR西日本は今年、「SLやまぐち号」用の客車を新造した。内装・外観ともにSL全盛期の客車を再現した新型客車として注目を浴びている。JRでの定期列車としての運転は終わったとはいえ、まだまだ客車は過去の車両ではない。イベント用であっても構わない。あとに続く、新型客車の登場を期待したいと思う。

野田 隆 日本旅行作家協会理事

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のだ たかし / Takashi Noda

1952年名古屋市生まれ。早稲田大学大学院修了(国際法)。都立高校に勤務のかたわら、ヨーロッパや日本の鉄道旅行を中心とした著作を発表、2010年に退職後は、フリーとして活動。日本旅行作家協会理事。おもな著書に『にっぽん鉄道100景』『テツはこんな旅をしている』『シニア鉄道旅のすすめ』(以上、平凡社新書)、『テツ道のすゝめ』(中日新聞社)、『ニッポンの「ざんねん」な鉄道』(光文社知恵の森文庫)、『テツに学ぶ楽しい鉄道旅入門』(ポプラ新書)などがある。

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