エルサレム首都宣言でも「物言わぬ」日本外交 安倍政権の「普遍的価値」は看板倒れ

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むろん日本政府が何も考えないでいい加減な対応をしているのではない。外務省などを中心にどう対応すべきか検討したうえでのコメントだろう。したがって意識的、意図的な判断停止、ノーコメントなのである。しかし、その理由をだれも公に説明はしていないから正確なことはわからない。

おそらく北朝鮮の核ミサイル問題に直面している今、トランプ大統領の対応を批判することでこれまで築き上げてきた信頼関係を崩すわけにはいかないというのが最大の理由だろう。

パレスチナ問題は欧州の帝国主義や植民地支配の生み出した問題であり、日本には関係のない話である。一方で北朝鮮問題は直接の脅威であり、政策の優先順位は明らかだ。またトランプ大統領は、相手が外国の首脳であっても自らを批判する者に対して非常に激しい反応をしてきた。日本政府が欧州各国と同じように大統領の決定を批判すれば、機嫌を損ねてしまい、北朝鮮問題への対応で協力を得られなくなるかもしれない。そんなことは何としても避けなければならない。もちろん判断停止の姿勢をとれば、日本が国際社会で浮いてしまうことはわかりきっている。それよりも北朝鮮問題を優先するという判断だろう。

「安倍首相がトランプ大統領と親密」は本当か

となると安倍首相が作り上げてきたトランプ大統領との信頼関係を疑ってみたくもなる。

昨年の米大統領選でトランプ氏が当選後、安倍首相は各国首脳に先駆けて就任前に会い、その後も繰り返し会談するとともに頻繁に電話で話し合い、大統領と最も親しい首脳であることを喧伝してきた。首相秘書官らは政治や外交の経験がまったくなかった大統領に対して安倍首相が指南役としてさまざまなアドバイスをし、大統領もそれを素直に受け入れていると強調していた。

11月のアジア歴訪でも、大統領は安倍首相の発案である「自由で開かれたインド太平洋戦略」を気に入って、ベトナムの講演などで繰り返し発信してくれたなどと説明していた。それほどの信頼関係があるのであれば、なぜエルサレム問題でアドバイスをしないのだろうか。TPP(環太平洋パートナーシップ)協定や地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱についても、日本政府は米国に苦言を呈することを控えている。「物言えぬ信頼関係」なのだろう。

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