もあさんの父・福本誠さんは元プロ野球選手で、現在は球団のマネジャーを務める。野球選手になるという、小さなころからの夢を叶えるため、子どもの頃から努力を続けた……頑張り続ける能力は、父親譲りなのかもしれない。
福本・高橋家のもう一つの特徴は、自分で決めて自分の力で切り開く姿勢だろう。みんながどっちへ行くかに関わりなく、自分がやりたいことを自分で決め、道がなければ自分で作る。母親の亜紀子さんは、そうやってキャリアを作ってきた。
亜紀子さんは新卒でリクルートに就職。一般的には起業家精神が高いことで知られる会社だが、インターナショナルな環境で好きなフードビジネスをやりたいという想いが募った。当時の自分がいた「ドメスティック」な職場環境にも違和感を感じ、2年で退職。和食レストランNOBUで2年間、皿洗いや客の注文取りなどのアルバイトをした。
今でこそ、ハリウッド映画にも登場する高級和食レストランNOBUも、10年以上前の当時は、まだ海外に店舗を出し始めたばかりだった。大企業の正社員から皿洗いのアルバイトは、普通ならキャリアダウンととらえそうだが、亜紀子さんは「日本を発信することができる仕事をするための投資」と考えた。
その後、米系IT企業で輸出入の実務を経験。これが、NOBUのテーブルウェア事業責任者という今の仕事に生きている。現在、亜紀子さんは、海外約30拠点にあるNOBUに食器などを輸出する業務を一手に引き受けている。
絶対必須の親のサポート、どうする?
アルバイトで経験したレストランの現場感は、海外のNOBU関係者と話す時に役立つ。店舗視察などで出張する際は、できる限り、子どもたちを連れて行く。もあさんは、ブダペストも、ドバイも、そしてもちろんインドも、働く母と一緒に見てきた。そういう経験が、海外とつながるビジネスをしたい、という将来の夢につながっているのだろう。
明るい雰囲気と進度の速いカリキュラム。そして多様性。インド、パキスタン、ミャンマー、中国、韓国など、アジア各地から集まった生徒が切磋琢磨し合う環境。文化や宗教も様々な子どもが集まるため、コミュニケーションを共通言語の英語でやることを徹底し、いじめが起きないよう先生がしっかり指導する。こういう話を聞くと、インド学校は日本の私立校に物足りなさを感じる家庭に向いているように思える。
ただし、親はそれなりの覚悟が必要だ。もあさんの弟・在(ある)くんは、幼稚園部の年長クラスを1年経験し、小学校1年生から同じ学校に入学した。しっかりしたお姉さんのもあさんがついているので安心かと思ったが、始めのうちは夜泣きが続いた。
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