超難関!インド系インターに娘を入れた親心

元リクの母、元野球選手の父のサバイバル教育

日本人はほぼ誰もおらず、異国情緒あふれる空間。「行きたくないって言うだろうな」という亜紀子さんの予想を裏切り、もあさんは「この学校に行きたい」とハッキリ意思を表明した。「優秀な子ども達と肩を学べて勉強できそうでワクワクした」ためだ。

校内のリラックスした雰囲気と裏腹に、編入試験は恐ろしく難しかった。問題なく解けたのは、SAPIXの理数コースで鍛えた算数のみ。あとは国語も社会も理科も歯が立たなかった。なぜなら「小学校4年生なのに、英語のレベルが既に日本の中学校3年生並みの内容だったから」(亜紀子さん)。

やる気満々で臨んだのに……もあさんは悔しくて泣き出してしまった。娘の気持ちがよく分かった亜紀子さんは、インド人の校長に伝えた。「この子は悔しがっています。本当にこの学校に入りたいと思っているのに、英語力不足が悔しいんです」。学習意欲の高さが伝わり、入学許可が出た。

しかし、一学年下のクラスに編入したらどうか、と勧められた。その時点のもあさんの英語力を見ると学校側の主張は妥当だったが、亜紀子さんは諦めなかった。「今と同じ学年に編入させてほしい。1年間、がんばっても追いつけなかったら、その時、下の学年に落としてかまいません。この子にチャンスをください」と。交渉は成功した。ペーパーテストだけでなく、子どものやる気や保護者のサポート姿勢などを総合的に見て判断する。学校はずいぶん柔軟だった。

与えられたチャンスを生かすべく、もあさんは猛烈にがんばった。半年間、学校から帰った後、毎日4時間も家で勉強したのだ。時に辛くて泣きながら、でも、日本の学校に戻ろうと思ったことは「なかった」そうだ。友人はノートを見せてくれるなど協力的で、先生も丁寧に指導してくれた。その結果、2年数カ月たった今では、明確な目標をもって日々勉強に励み、友人関係も楽しんでいる。インド学校は「ものすごく頭がいい子も多いのに、普段は明るくて楽しい」ところが良いそうだ。

元プロ野球選手の父、元リクルートの母

もあさんは12歳にして、すでに、グローバルなマインドを持ち、将来に向かって着実に歩いている。22歳の大学生、32歳のビジネスパーソンにもひけを取らないグローバル人材(というか、グローバル女子)はどうして生まれたのか。

それを一言でいうなら、両親の姿勢と仕事ぶりだ。まず第一に、決してあきらめないこと。元々、卒業後は英国の大学で学ぶインドのエリートを養成するために作られたインド系インターは、学習の進度も質も高いため人気がある。入学・編入希望者は少なくないそうだが、勉強がいかに大変かを知って、あきらめる人も多いという。

「西洋系のインターナショナルスクールからインド系に編入してくる生徒さんもいますが、勉強が大変すぎて戻る子もいました」(亜紀子さん)。そんな中、母国語が英語ではないのに、がんばり抜いたもあさんの根っこには「父親と同じものがあるのかもしれない」(同)。

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