なぜなら、ディーゼルエンジンは動き出しがいいのだが、回転上限が低く、タイヤをかき続けさせてふかふかの砂のなかでクルマを進める能力が低い。どんなにアクセルを踏み続けても、加速力が急激に細くなる中回転以降の領域では、徐々にタイヤが砂に埋もれ出してしまう。
しかしガソリンエンジンでは、高回転まで鋭く吹け上がり、その高回転でも勢いを保ちタイヤをかき続けさせられるので、砂に埋もれる前にクルマを進めるという砂漠独特の走行を可能にする。しかも、そのアクセルを踏み込んだ際の排気音や高回転までの吹け上がり特性にはオンロードでも感じていた強烈なガソリンモデル特有の刺激と高揚感があり、病みつきになりそうな気持ちよさと楽しさがあった。
ガソリンモデルのよさを再認識
今回の体験を通し、タキシードも似合いそうなレヴァンテが、砂を巻き上げながら歩くのも困難な砂漠地域を豪快に走れる能力にも驚いたが、同時にガソリンモデルのよさを再認識できたのが収穫だった。結果、ディーゼルモデルは何度か足を取られて動けなくなるスタック状態になっており、ある程度のタフ環境まではディーゼルも得意だが、極限まで行くと高回転まで鋭く吹け上がる特性はそのままに直噴ターボ化して低回転トルクを太くしたガソリンモデルが優れている。
「これからの時代はディーゼルでしょ!」とレヴァンテでもディーゼル推しだったが、少々クルマを見る目が変わった。レヴァンテはスタイルのよさに加えて、本格的なラフロード能力を持っている。
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