近年の自動車は電子制御の塊だ。スタビリティコントロール(車両安定制御)やABS(アンチロックブレーキシステム)などの各種技術によって、ドライバーが意図しなくてもクルマを安定した挙動で走らせたり、安全に停車させたりなどといったことが可能になった。前走車や歩行者を検知して衝突を回避するシステムを標準装備する車も増えてきた。
激しさを増す、クルマの電脳化と電子化の流れ。今年2月、雪に覆われた北海道鷹栖町にあるホンダのテストコースで同社最新モデルに触れ、すでに実用されているそれら電脳と電子技術の高さを体感できたのでご紹介していこう。
そもそも電脳化と電子化の流れは、大きく3つの分野に分けて考えられる。ひとつは電脳化のエース分野として今話題を集めている人工知能および自動運転分野。2つめが、クルマに搭載されている制御系の電脳分野。そして3つ目がクルマそのものの電動化の話だ。
人工知能および自動運転関連へのホンダの取り組みはボリュームも豊富で、クルマ単体での話から枠組みを超えないといけないので改めてレポートさせて頂くとして、今回は北海道で実体験できた制御系の電脳分野とクルマそのものの電動化を掘り下げたい。
未来予測型の制御
将来的には人工知能や自動運転関連の比重も高まってくるかもしれないが、現状、当面はこの2要素こそがクルマの完成度を大きく左右する。特に制御系の電脳はいま驚異的なレベルにまでなっており、ここ1、2年で着手が早いメーカーは完全に次世代に切り替わりだした。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら