それは素直な動き、気持ちよい走り、鋭い動き、優雅な走りなどの結果をもたらすために、今までも「走行環境」と「いまのクルマの状況」そして「ドライバーの意思」をいかにうまく調合させるかを競い合ってきたが、電脳が賢くなりその中身が変わる。それが
「今のクルマの状況」
ではなく
「未来のクルマの状況」
を想定して制御するようになったことである。
具体的には車輪速センサーやGセンサーを使ってクルマの動きをセンシングしてきたが、合わせてヨーレートセンサーも演算処理に入れてきた。もちろん背景には演算処理速度の高いCPUとその搭載に際した価格面での壁を乗り越えたことが隠れているが、この貢献度は高い。「車両が不安定になったから制御介入」が、「車両が不安定になりだすはずだから制御介入」という、未来予測型の制御ができるようになったわけだ。
実際、すでに発売されているホンダのスーパースポーツモデルの「NSX」と兄弟制御機構を積むホンダのフラッグシップモデル「レジェンド」、そして間もなく発売が予定されているホンダの最新ミドルサイズSUV「CR-V」は、雪と氷が入り混じった路面の中を不思議なほどよく曲がり、よく走る実力を披露してくれた。もちろん気持ちよく走れるし、安心できるし、ストレスがとても少なく走れるのは当然のことだ。
未来予測をいかに先までできるか
ちなみに今は未来予測型制御の導入競争はもちろんだが、その実装できる未来予測をいかに先までできるかの勝負が激化している。いまのトップランナーは0.5秒先を読むとされているが、1秒先まで読めるようになるのか?
1秒先まで読めたら、たいがいの車両不安定要素は解消できるはず。しかし、そのためにはクルマの状況だけでなく、スノーやシャーベット、アイスやドライそしてウェットなどの”いま”の走行環境を的確に読み取る路面識別能力も必要になるだろう。何にせよ、雪道などで怖い思いをしたくない、気持ちよく走りたいなら、技術進化が著しい今は最新モデルが良いというわけだ。
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