日本人は「軍事的常識」が著しく欠如している 「集団的自衛権」の理解もまちまち

✎ 1〜 ✎ 219 ✎ 220 ✎ 221 ✎ 最新
拡大
縮小

──もともと米国の軍事戦略も定まっていない?

米国には日本と違って戦略家と称する学者たちがいる。戦略家たちがいろんな意見を出し、政府はその中から意見を拾っていくが、今の時点で方向性が確立しているとは思えない。

米国から最近帰ってきた人の話によると、北朝鮮だけでなく中東問題を含めてトランプ大統領は何をやるかわからないが、3人の良識派がついているのには希望が持てるとのことだ。

3人ともアフガンでの経験がある

──「軍人トリオ」ですか。

ケリー大統領首席補佐官、マクマスター大統領補佐官、マティス国防長官の3人の新旧将軍。3人ともアフガンでの経験がある。ケリー氏は退役海兵隊大将。マクマスター氏は現役の陸軍中将で国家安全保障問題担当、50代と若い。将来、大将に当然なるだろう。マティス国防長官も退役海兵隊大将だ。これに加え元大物実業家のティラーソン国務長官、ペンス副大統領にも期待できると。

今年夏のキャンプデービッドでの会合で、トランプ政権はアフガン増派を認めた。現存米兵1万人に加え4000人をアフガン兵の教育のために新たに出す。そして教育したアフガン兵と政府とでタリバンとの和解を進めると。

『軍事のリアル』 (新潮新書)(新潮社/240ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

──中でもマクマスター中将の評価が高いですね。

90年代初頭に湾岸戦争で装甲騎兵の中隊長として活躍、銀星章という日本の戦前の金鵄(きんし)勲章相当を受けている。その後、大学に行き有名な論文を書く。「クラウゼヴィッツの言ったとおり、戦争は政治の延長である。テクノロジーで片付くものではない。そこには人間がいる、味方がおり敵がいる、住民がおり友人がいる。それはまさに政治であり人間である」と。

──中国に対しては海軍系が厳しい見方をしているとか。

トランプ大統領は米国ファーストと言っているが、本当にファーストになれば米国中心の秩序を押し出してくる。米国の経済は金融で動いている。金融中心であるかぎり米ドル札をたくさん刷り、それをいちばん持つのは中国だ。けんかを始めたら米国の経済もだめになってしまうから、米国一極は当分変わらない。そういう中にあって具体的戦略は大小の波のように動いている。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
イオン、PB価格据え置きの「やせ我慢」に募る憂鬱
イオン、PB価格据え置きの「やせ我慢」に募る憂鬱
半導体需給に変調の兆し、歴史的な逼迫は終焉?
半導体需給に変調の兆し、歴史的な逼迫は終焉?
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT