医師が警告!「魔の2歳」の育て方、ここに注意 「叱り方、甘えを許す…」その認識は正しい?

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「甘やかし」は、じつは「親の意思が主体」になっています。

たとえば「さみしいから抱っこしてほしい」と意思表示しても、「忙しくて手が離せないの。そのかわり冷蔵庫のケーキを食べていていいよ」と、子どもがほしいものとは別のものが与えられたとします。

このとき、親は「ケーキを食べている間はおとなしくしてくれている」と好都合に思いますが、子どもは「抱っこしてもらえない」さみしさを「ケーキ」で紛らわすことになります。じつは、このときの「ケーキ」が「甘やかし」なのです。

子どもはケーキが食べられたのですが、抱っこをしてもらえていないさみしさはそのままで心は満たされていないので、「人と接する」よりも「物欲」でさみしさを紛らわすことを覚えるようになっていきます。

一方、「甘えを許す」は「子どもの意思が主体」です。子どもが「さみしいから抱っこしてほしい」と意思表示をしたときに、「いいよ、おいで」と、さみしい気持ちに寄り添って助けてあげることが「甘えを許す」ことです。

しかし、何でもかんでも子どものいうことを聞いてあげるということではありません。適切な「甘えを許す」行為の大切なポイントは、「困ったときに助けを得られる」心地よさを教えてあげることです。

「甘やかし」だけでは将来、人間関係で苦手意識を持ってしまうかもしれないので、適切な範囲で「甘えを許す」ようにしましょう。

「人生の基盤」は、3歳までに大きく決まる

2歳をすぎると自分の力で行動をするようになるので、親から離れて兄弟や友だちなどとのコミュニケーションも、さらに必要になってきます。

当然、子ども同士のケンカや衝突は避けられないのですが、そんなときこそ「叱るだけ」でも「甘やかすだけ」でもなく、「子どもと同じ目線」になって、子どもの気持ちに寄り添ってあげましょう

小児科医として25年間、たくさんの子どもたちと接してきて身をもって実感するのは、「3歳までの育て方で、その後の『人生の基盤』は大きく決まる」ということです。人との接し方、感情コントロールなど、3歳までの育て方で、その後の人生が大きく変わる、ということは少なくありません。

ぜひ、「3歳までの子育てのコツ」を知って、子どもが将来、強く明るく過ごすことができる手助けをしてほしいと思います。

白川 嘉継 小児科医師、福岡新水巻病院周産期センター長

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しらかわ よしつぐ / Yoshitsugu Shirakawa

1959年、福岡県生まれ。産業医科大学医学部医学科卒業。医学博士(小児科学)。

福岡新水巻病院周産期センター長。小児科医師。みずまき助産院ひだまりの家顧問。日本女性生涯支援協会理事。

産業医科大学新生児集中治療室医長、同大学小児科学講師、福岡看護専門学校水巻校長等を歴任。

専門領域は小児科学、特に新生児学。25年以上にわたり、小児科医師として、新生児、未熟児の医療、発達障害児、情緒障害児の医療に携わる。特に新生児の健診では4万7000人以上に携わり、面接した家族は2万2000家族を超える。

医療関係者のみならず、助産師や保育士、教育関係者からの支持も厚く、幼少期の養育環境と子どもの発達をテーマにした講演会を、全国で数多く行っている。

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