キーワードは“QSC&V” 私のサービス論 原田泳幸 日本マクドナルドCEOに聞く

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サービスがサービス産業の専売特許であったのははるか昔の話。今やサービスは、あらゆる産業にとって最優先課題になっている。日本の名だたる企業のトップたちは、「サービス」をどう定義し、具体的にどのようなサービスを実践しているのか?各社のトップに聞いた。
(『週刊東洋経済8月11日・18日合併号の特別版』)

――御社にとって、「サービス」とは何ですか?

お客様満足度の向上に向けて、レストランビジネスの基本であるQSC(Quality,Service&Cleanliness)の向上に継続的に努めること。つまり、信頼の品質、スピーディーで心地よいサービス、清潔で快適な環境を実現することが第一であると考えます。

原田泳幸(はらだ・えいこう)  1948年長崎県生まれ。東海大学工学部卒業後、日本NCR入社。アップルコンピュータジャパン社長を経て、2004年日本マクドナルドCEOに就任。

その上で、お客様がご納得いただける価値を創出し、ご提供する。それがValueのご提案です。このValueを合わせてQSC&Vと呼び、2004年以降、当社では一つひとつの課題に地道に取り組んできました。

――御社のサービスの具体例を教えてください。

 メニューラインナップの強化、店舗改装などの投資強化、出来立てのおいしさを実現するためのキッチンシステムの導入、ドライブスルー店舗の拡大、営業時間延長、24時間店舗の拡大、店舗のモバイルポイント化などを順次実施してきました。

 当社は、ハンバーガーレストラン事業を展開していますので、直接的にはメニューラインナップの強化が重要となりますが、これ以外にも、快適なレストラン空間、気持ちのいいお客様対応、便利な立地、使い勝手のいい営業時間など、様々な側面で日々努力しています。

――サービスを定着・向上させるために、どのような取り組みを行っていますか?

 当社は、開業した1971年の時点で既にハンバーガー大学を設立し、人材能力開発にいち早く力を入れてきました。また、店舗と本社間の意思疎通を迅速に正確に実施するための営業体制を整えています。同様に店舗と本社間の情報インフラを整備している段階です。定期的に、各店舗のQSCの状況をチェックするシステムも構築しています。

週刊東洋経済編集部
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