「格安スマホ」人気に陰りが見え始めた理由

ドコモ、au、ソフトバンクが相次いで反撃

同様に、独自性で差異化を進めているのが日本通信だ。同社は個人向けのMVNO事業から一度撤退し、現在は法人向けのビジネスや、U-NEXTなどほかのMVNOの支援事業を主体としている。だが今年8月、ソフトバンクのネットワークを利用するMVNOとして個人向けサービスを開始した。

ソフトバンクのネットワークは、借りる際に支払う接続料がドコモより高いことから、それを借りてサービスを提供するMVNOが少なかった。そんな中で日本通信は、SIMロックがかかった古いiPhoneのユーザーをターゲットとして、あえてソフトバンクの回線を使うことで顧客基盤の拡大を狙っているようだ。

今後の注目は総務省の動向に

総務省は昨年にも「モバイルサービスの提供条件・端末に関するフォローアップ会合」を実施するなど、引き続き大手3社の販売施策に厳しく目を光らせている(筆者撮影)

いずれの戦略もMVNO同士で争う分には優位性を出せるかもしれないが、大手3社から多くの顧客を奪うにはまだ不十分だ。加えて、体力の弱いMVNOが大手キャリアーに立ち向かうには限界があるのも事実。となると、次に注目されるのは総務省の動向だろう。先にも触れたとおり、MVNOの急成長の裏には、携帯電話市場の競争を促進して通信料金を引き下げたいという同省の思惑が働いているからだ。

MVNOの躍進には、2015年に総務省のICTサービス安心・安全研究会が実施した「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」での議論が大きく影響したといわれる。大手3社の商習慣を問題視した総務省が、スマホの実質ゼロ円販売に対し事実上の禁止措置を取るなどして、MVNOに有利な市場環境が生まれたのだ。

研究会はその後も「モバイルサービスの提供条件・端末に関するフォローアップ会合」を実施するなどして、大手3社の販売施策などに目を光らせている。それだけに、大手3社の顧客流出防止策でMVNOの成長に急ブレーキがかかったことを受け、総務省が再びアクションを起こす可能性は十分考えられる。今後のMVNOの動向を占ううえでも、総務省の動きに注目が集まりそうだ。

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