都心上空飛ぶ羽田便、落下物・騒音に募る不安

2020年、都民が飛行機に悩まされる可能性も

住宅密集地の真上を飛ぶため、落下物に対する住民の不安は高まる。KLMやANAの部品落下からまもない10月9日、品川区で開かれた新ルートへの反対集会には想定を7割上回る340人が集まった。「こんなに集まるなんて」。主催者の一人、大田区に住む岩井京子さんは驚いた。

落下物は飛行機部品だけではない。機内で使用した水を上空で排出し、それが氷塊となることがある。高い高度を長時間飛行する国際線では特に生じやすい。

成田空港周辺では過去10年で部品や氷塊など19件の落下物を確認。車や家の屋根などに破損被害が出ている。全国での部品脱落は、過去8年間で国内航空会社だけで451件。報告義務のない外資系を含めると、相当数に上るとみられる。

騒音は走行中の地下鉄車内と同じレベル

「実際に飛ばし始めたらいろいろなことが起こるだろう」。元運輸事務次官の黒野匡彦・運輸総合研究所会長はそうつぶやく。落下物以上に住民の反発が予想されるのが、騒音だ。

都心の恵比寿や渋谷付近では高度600メートル強で着陸体勢の飛行機が飛ぶ。大井町付近は高度約300メートルで、予想される音の大きさが約80デシベル(瞬間最大値)。これは走行中の地下鉄車内と同等だ。

伊丹や福岡など都市部上空を飛行機が飛ぶ空港の周辺地域では、住宅や学校、病院などの防音工事に空港管理者が助成を行っている。

ただ今回のケースは、都心上空飛行が1日4時間、南風時(年間約4割)のみ。航空機騒音に関する法律には工事助成を認める騒音基準があるが、24時間にならして騒音レベルを決めるため、羽田空港のそばにある工業地帯以外は基準に達しない。学校や病院は基準を緩めて対応するが、住宅は工事助成の対象とならない。

住民からは「試しに飛ばすことはできないのか」といった声が上がるが、「管制塔の保安施設や誘導路の整備が必要なため、現時点では難しい」(国交省首都圏空港課の担当者)という。

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