あの築地が「はしご酒」のメッカを狙うワケ うまいのは魚だけではない!

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「イベントを始めようと思ったきっかけは、やはり場内市場の移転です」松本さんとともに、はしご酒の発起人の1人で、実行委員会のメンバーも務める「伊藤海苔店」の伊藤信吾さんは言う。

場内が移転すれば、人の流れが変わってしまうのは確実だ。そのため築地で商売をしている人は、以前から大変な危機感を抱いている。実際、移転の話が決まってから、場外市場ではさまざまなイベントを開催するなど、場内市場移転後も街のにぎわいを消さないよう、多様な取り組みが行われている。

「市場外の築地も危機感を抱いているのは同じで、築地という街全体で盛り上がる何かができないかと考えていたのがもともとの始まりです」(伊藤さん)

昨年のイベントで配られたマップ。参加する店は、築地全体に広がっている(画像:「はしご酒」実行委員会提供)

スペイン料理からエスニックまで

築地というと、多くの人が魚を思い浮かべるかもしれないが、実は野菜や肉をはじめさまざまな食材が豊富にそろう、まさに「東京の台所」。ここ数年、そんな豊富な食材を使った飲食店が、市場外の築地にも増えてきている。しかも、すしや海鮮丼といった築地の観光客が好みそうなアイテムの店だけではなく、バーやいろいろな国の料理が楽しめるレストランも数多くある。

正直言って以前の築地は、夜楽しむには選択肢が少なかったのだが、ここ何年間かで大分状況が変わったようだ。「築地には夜のイベントがほとんどなかったのもそうですが、こういう多様性に富んだ飲食店が、築地にもたくさんあることを、多くの人に知ってほしかったというのも、はしご酒を企画したきっかけの1つでした」(松本さん)。

確かに、今回、はしご酒に参加している店舗を見ても、スペイン料理あり、生ハムの店あり、煮込みの店ありと、バリエーションは非常に豊かだ。もし、築地を「生魚を食べに行く街」だと思い込んでいたとしたら、その認識は改めたほうが「はしご酒」をより楽しめそうだ。

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