大牟田4人殺害事件はどれだけ残酷だったか 家族全員死刑、父も母も兄も弟も

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前述のように、孝、孝紘の二人は父母に内緒に高見さんの次男をまず殺害しているがこの経緯も驚く。兄の孝が両親の高見さん殺しの計画を耳にし、親には内緒で金を奪おうとコンビニの駐車場で弟に持ちかける。

“高見家に二千万ある!穣吏がおって邪魔やけ殺す、手伝え! ー略ー
お前に話したからにはバレるかもしれんので女も殺すゾ。それと、この件は両親には絶対秘密ゾ”

持ちかけるというより脅しているだけなのだが、恐ろしいのは本当にそのまま車をぶっ飛ばして殺しに出かけてしまうのだ。一事が万事この調子である。

次男孝紘の手記は殺しの手口や犯行当時の心境を淡々とつづっている。誰も殺さないから俺が殺したといいたげな英雄気取りの記述が目立つ。口ばかりで、汚れ仕事を押しつけてくる兄の孝には辛辣な言葉が並ぶ。だが、本人の思いと裏腹に、犯行に至るまでの詳細な描写は、父や兄に命じられるままだった次男の実像を浮き彫りにしている。

逮捕後も反省の弁はない。

“(被害者たちを)かわいそうとは思いますが、申し訳ないとは思ってないです。殺されたのも運命、私が死刑になるのも運命。それに私はヤクザです。親分の命令は絶対なんです”

危うきには近寄らない

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手記の終わりの方で、ヤクザの論理を突如として振りかざすが、多くの読者は違和感を覚えるだろう。それまで殺しの快感について幾度も言及している。それを助長させたのが覚醒剤の使用で、「薬はいいものだ。何事にも気楽にしてくれるしブレーキを解除してくれる」とまで言い切っている。

悪事に手を染めた者の中には反省するふりをして野に放たれ、再び犯行の機会を狙う者もいる。彼らの存在も恐ろしいが、問題は我々の想像できる枠内にいるかいないかだろう。本書を読めば、常人には理解できない行動をとる者が存在し、抗う手がないことがわかる。危うきには近寄らないに限るのだが、その嗅覚を磨くためにも読むべき一冊かもしれない。

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