売れないと嘆く人はお客の無意識を知らない 消費者の行動や心理の底にあるホンネ
さて、ではその、「無意識」をマーケティングに生かすためには、どのようにすればよいのでしょう。
拙著『顧客を説得する7つの秘密』(原題:7 SECRETS OF PERSUASION)にも詳しく解説した、消費者の無意識に訴求するためのテクニックをいくつか紹介しましょう。
考えは行動に引っ張られる
その1つに「考えではなく行動を狙え」というものがあります。人がどのように行動するかは、その人の考えと状況によって決められます。
考えを変えようとすれば、少なからず相手の心理的抵抗を生みますし、ともすれば反発すら抱かれかねませんが、状況を変えるのは比較的容易です。そして、その状況の変化により、相手の行動も変化させられるのです。
“心理的リアクタンス”の発見で有名な心理学者ジャック・ブレームは、人々に、それらの違いにさほど関心がないような2つの品物を提示し、1つをプレゼントする、という実験をしました。
するとその後、人々は、選ぶ前と比べると、自らが選んだものをよりポジティブに、選ばなかったものはネガティブに考えるようになっていたそうです。
つまり、自分の行動を合理化するために、自分の考えを調整したわけです。マーケティングにおいても、消費者の考えを変えようとするのは大変だし手段も限られますが、行動を変えるのは考えを変えるより容易で、手段も多くあります。
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