「神の雫」樹林伸氏が説くワイン会のススメ 異業種交流会に出るのは、ちょっと古い
樹林:「人と人をつなげる力」だよね。まさにそのとおりで、『神の雫』がヒットして以降、いろいろな経済人やそれ以外のジャンルの方々から「ぜひ会いたい」というお話をいただく機会が増えた。それも日本の経営者だけでなく、韓国や本国のフランスの経済界でも話題になって。
特に韓国に行ったときには、飛行機を降りたときから行く先々で大歓迎してくださったのは、素直にうれしかった。このように、人と人がどんどんつながっていくのが、ワインの力だと思う。だから、ワイン会を積極的に開催することをお勧めします(笑)。
江連:確かに、外交でもビジネスディナーでも、圧倒的にワインが使われますね。
樹林:昨年、開かれた伊勢志摩サミットで、晩餐会に使われるワインの選考委員を拝命し、12本の日本ワインを選びましたが、海外の要人にも本当に喜んでいただけました。
江連:これまで経営者など1000人を超える経済人にインタビューをしてきたのですが、ワイン好きの方が本当に大勢いらっしゃいます。
ワインを飲めば、あっという間に距離が縮まる
樹林:ワインには、人間関係を円滑にする力があるよね。ほかのお酒では、やっぱりこうはいかない。たとえばビジネスディナーの席に、主催者の方のためなどに、生まれた年の「バースデー・ヴィンテージワイン」を持っていってみてください。値は張るかもしれないけど、あっという間に会話が盛り上がって、距離がグっと縮むはずだから。
これまでいろいろな方と一緒にワインを飲んできたけど、皆さん、ワインの「使い方」が本当に上手です。ここぞというときに、すばらしいワインを持ってくる。挙げればキリがないんだけど、まさに国産のバースデー・ヴィンテージワインを持ってきてくださった方も、いらっしゃった。
江連:ということは、1960年代の国産ワイン! なかなか「自分の生まれ年ワイン」って見つからないものですが、それでもどこかで探して持ってきてくださったら、感激してしまいます。それだけ、自分のことを大切に思ってくれているんだと。
樹林:なので、とにかくこの対談を読んでくださった方は、早速、何人かでワイン会を開いてみてください。社内外の集まりはもちろん、マンションの組合の集まりでもなんでもいい。20歳以上であれば、老若男女は問いません。昔は「合コン」、ちょっと前は「異業種交流会」だったかもしれませんが、今はワイン会だと思う。
江連:ワイン会を成功させるためのコツは何ですか。バースデー・ヴィンテージワインの話を聞いた後だと、敷居が高そうな……。
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