「神の雫」樹林伸氏が説くワイン会のススメ 異業種交流会に出るのは、ちょっと古い

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樹林:「人と人をつなげる力」だよね。まさにそのとおりで、『神の雫』がヒットして以降、いろいろな経済人やそれ以外のジャンルの方々から「ぜひ会いたい」というお話をいただく機会が増えた。それも日本の経営者だけでなく、韓国や本国のフランスの経済界でも話題になって。

特に韓国に行ったときには、飛行機を降りたときから行く先々で大歓迎してくださったのは、素直にうれしかった。このように、人と人がどんどんつながっていくのが、ワインの力だと思う。だから、ワイン会を積極的に開催することをお勧めします(笑)。

江連:確かに、外交でもビジネスディナーでも、圧倒的にワインが使われますね。

樹林:昨年、開かれた伊勢志摩サミットで、晩餐会に使われるワインの選考委員を拝命し、12本の日本ワインを選びましたが、海外の要人にも本当に喜んでいただけました。

江連:これまで経営者など1000人を超える経済人にインタビューをしてきたのですが、ワイン好きの方が本当に大勢いらっしゃいます。

ワインを飲めば、あっという間に距離が縮まる

江連 裕子(えづれ ゆうこ)/経済キャスター。経済学修士。TBS、フジテレビ、テレビ東京、KPMG税理士法人を経て、最年少で日経CNBC夜のメインキャスターに抜擢、9年間で多数の経済番組を担当、延べ1000人超の経営者、エコノミスト、学者、著名投資家、政治家などにインタビュー。テレビ東京「Mプラス11」ではマーケットキャスターも担当。TV以外のメディアでのインタビュー、モデレーターや大学講師なども経験後、2013年すべての番組を卒業、ロンドン、NY、サンフランシスコで海外生活。帰国後はラジオNIKKEIの経済キャスター(現任)を務めるとともに、グルメ杵屋の社外取締役就任(現在3期目)(撮影:文藝春秋社)

樹林:ワインには、人間関係を円滑にする力があるよね。ほかのお酒では、やっぱりこうはいかない。たとえばビジネスディナーの席に、主催者の方のためなどに、生まれた年の「バースデー・ヴィンテージワイン」を持っていってみてください。値は張るかもしれないけど、あっという間に会話が盛り上がって、距離がグっと縮むはずだから。

これまでいろいろな方と一緒にワインを飲んできたけど、皆さん、ワインの「使い方」が本当に上手です。ここぞというときに、すばらしいワインを持ってくる。挙げればキリがないんだけど、まさに国産のバースデー・ヴィンテージワインを持ってきてくださった方も、いらっしゃった。

江連:ということは、1960年代の国産ワイン! なかなか「自分の生まれ年ワイン」って見つからないものですが、それでもどこかで探して持ってきてくださったら、感激してしまいます。それだけ、自分のことを大切に思ってくれているんだと。

樹林:なので、とにかくこの対談を読んでくださった方は、早速、何人かでワイン会を開いてみてください。社内外の集まりはもちろん、マンションの組合の集まりでもなんでもいい。20歳以上であれば、老若男女は問いません。昔は「合コン」、ちょっと前は「異業種交流会」だったかもしれませんが、今はワイン会だと思う。

江連:ワイン会を成功させるためのコツは何ですか。バースデー・ヴィンテージワインの話を聞いた後だと、敷居が高そうな……。

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