立憲民主党の枝野代表、「アイドル論」を語る 「欅坂46の同調しない反骨心に共鳴した」

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――欅坂46の『不協和音』を愛唱する理由は? 同調圧力による、自由や多様性の抑圧に対し、徹底した不服従と抵抗の意志を示す内容ですが。

『不協和音』(欅坂46)の反骨的な内容に枝野氏は共感したという(写真:ソニーミュージック)

歌いやすくないので、最初はスルーしていました。でも、歌詞をよく見て、これは僕の歌だと思いました。反骨的な内容がいい。昔から反骨精神が好きな人間なので。『不協和音』は、(社会的なメッセージ性で話題になった)欅坂46のデビューシングル『サイレントマジョリティー』の続編も続編、もっとグレードアップした大続編が来たって感じでした。歌うのは相当難しいんですが、この2つは歌えなきゃいけないなと思い、一生懸命練習しましたね。

――『サイレントマジョリティー』に「声を上げない者たちは賛成している」との歌詞がある。18歳参政権を意識したように思えますが。

最初にこの曲を聴いたときから売れると思ったし、こういう曲が売れる時代なのかもしれない、とも思った。(同曲発売3カ月後の2016年参院選のときに)演説や講演でも、ときどきこのフレーズは使いました。秋元(康)さんもやはり若者の選挙権のことは意識していたと思いますね。

――特にどの部分にメッセージを感じましたか。

まずタイトルからしてそういうことですから。『サイレントマジョリティー』の歌詞を見て、欅坂46にはつねに注目していくべきだと思いました。秋元さんの言葉の使い方は天才だと思います。社会的なメッセージの部分だけじゃなくて、巧みな表現にも驚かされます。冒頭の「似たような服を着て」の部分がすごい。これってみんなわれわれ自身のことですよ。こういう描写から曲に入るところがすごいと思いました。

世論調査に頼らず、”空気”を知ること

欅坂46はアイドル界でも破竹の快進撃。乃木坂46と並び、「坂道シリーズ」を引っ張る存在だ(写真:ソニーミュージック)

――AKB48グループから、乃木坂46や欅坂46の「坂道シリーズ」に至る、秋元氏がアイドルをプロデュースする流れについては、どう見ていますか。

僕が次に注目しているのはむしろ、AKB48がどんなふうになるかってことです。秋元さんはAKB48グループを「平成の宝塚」にしたいんじゃないでしょうか。宝塚のように、AKB48をあと100年続かせるためには、次の一手が大事ですよ。どうするのかなあ(笑)。とても楽しみです。

――枝野さんは、民進党が希望の党に合流する局面で、一時切羽詰まった。が、逆境をはね返し結党した立憲民主党は、一躍野党第一党になった。浮沈の激しい人気商売という意味で、政界とアイドル業界は似ていませんか。

アイドル業界というより、秋元さんが仕掛けるアイドルとは、似たところがあると思います。結び付けると不真面目だとおしかりを受けるかもしれませんが、サイレントマジョリティー(声なき大衆、多数派)を見つけるのは、まさに同じ仕事だと思うんです。顕在化されていないニーズがどこにあるのかを探り、それを見つけるという意味では一緒ですよね。

――そのニーズを政治家としてどのように探り当てるのですか。秋元氏はよく「マーケティングは忘れろ」と言いますが。

僕も世論調査には頼らない。参考にはしますが、それに縛られてはいけません。それこそサイレントマジョリティーの”空気”を知ることが大事です。それを踏まえて、衆院選の最終日にはJR新宿駅の街頭演説で、「みなさんに背中を押していただいた」と言いました。

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