立憲民主党の枝野代表、「アイドル論」を語る 「欅坂46の同調しない反骨心に共鳴した」

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――「背中を押す」は、大島優子さん(AKB48の元人気メンバー)がAKB48選抜総選挙のスピーチで使い、ファンの間にも定着しているフレーズですね。新党の結党時、ツイッターで「♯枝野立つ」などのハッシュタグが盛り上がりましたが、それが「押された」ということですか。

「背中を押された」って言うけど、何が決め手だったのかって、よく聞かれるんですが、それに対しては空気としか言いようがないんですよね。ツイッターなど、SNSでも応援をいただきましたが、それだけかというとちょっと違う。最後の決め手は空気なんですよ。

――空気と言われると、ネガティブな印象もあります。同調を求め、人々から自由や個性を奪っているのも、空気ですよね。

空気にも、顕在化されているものと、潜在的なものがあります。顕在化されている空気に支配されていると流されてしまう。そのもう1つ下にある、潜在的な空気を感じ取ったつもりです。

――実はAKB48にも初期から社会的なテーマを扱ったものが多い。いじめ・自殺(『軽蔑していた愛情』『Birth』)、戦争(『僕たちは戦わない』『夢の鐘』『ロックだよ、人生は…』)、デモ弾圧(『目撃者』)などが思い浮かびますが、注目する曲はありますか。

よく『僕たちは戦わない』のことを言う人がいますが、僕は同じ時期に乃木坂46が歌った『命は美しい』に注目しました。ちょうど安全保障法制の議論のときです。関係ないという意見もありますが、あの局面であのメッセージ性は強いと思った。この曲から乃木坂46に興味を持ちました。

「参加意識」という付加価値を売っている

――戦争・暴力の否定と生命への慈しみがワンセットになっていたんですね。AKB48って”参加型民主主義”だと思うんです。ファンは秋元プロデューサーや運営(マネジメント会社)への不満、意見をすごく言いますが、それをどんどんくみ取っていく。それが12年間も続いている理由です。

『翼はいらない』では1970年代頃のフォークソングと世相がプロモーションビデオで表現された(写真:AKS)

AKB48は”参加意識”という付加価値を売っているんだという認識はあります。AKB48選抜総選挙などはまさにそうですが、言われてみると、民主政治ともつながりますよね。今回の政局で、直接意識するようなことはなかったけれども、参加意識が付加価値になるというのは、5~6年前にAKB48から学ばせてもらったのかもしれません。総選挙のときのメンバーのコメント。あれは政治家も見て勉強したほうがいいですよ。

でも、AKB48グループ全体に言えることは、社会性のある曲とは別に、40代や50代のおじさんに響くような、自分たちの青春を思い起こさせる歌詞の曲があって、そこがいいですよね。僕は『Seventeen』が好きで、カラオケでもよく歌います。

――けっこう初期の曲ですね。いつぐらいから知っていたんですか。

(2005年12月の)デビューのときから知ってはいました。最初は全然、火がつきませんでしたよね。新曲が出るたびに聴くようになったのは、飛行機内の映画で『もしドラ』(『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』)を見て、その主題歌の『Everyday、カチューシャ』を好きになってからです。

知人が僕の好きそうな曲を入れたiPodをくれて。その中にAKB48もあって。それを聴いて『スカート、ひらり』『軽蔑していた愛情』『Seventeen』が特に好きになりました。AKB48って一応、ハモってるんですよ。中学、高校とコーラス部だったので、ハモる曲が好きなんです。

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