三菱ふそう、EVトラックで市場奪取の本気度 EVシフトの大潮流は商用車をどう変えるのか
すでに日本ではセブン-イレブン・ジャパンとヤマト運輸で、それぞれ25台のeキャンターの採用が決定している。セブン-イレブンは商品配送用に今年12月から導入を始め、2018年夏までに首都圏の配送センター8カ所に配備する計画だ。ヤマト運輸は宅急便など集配用のトラックとして、来年3月までに首都圏に配備する。
両社共に基本的にはリース契約で、これには「航続距離や耐久性が長いなど、次世代のバッテリー開発を進めており、つねに最新のトラックを提供したい」(三菱ふそうのリストセーヤ社長)との考えからという。eキャンターは米国、日本、欧州の顧客向けに、今後2年間で500台の販売を計画している。
一方、いすゞ自動車は主力の小型トラック「エルフ」をベースにした「エルフEV」を東京モーターショーに世界初出展。2018年にモニターでの市場投入を予定する。まずは10台前後をリースで提供し、その結果をフィードバックしたのちに2020年をメドに量産に入ることにしている。
「多様なボディ架装に対応できるようにしており、さまざまな使い方へのモニターを実施し、経済合理性と使い勝手のよさを兼ね備えた商用EVをつくりこんでいきたい」と片山正則社長は意気込みを語る。量産体制の確立は今後の課題だが、コンビニエンスストアの配送やゴミ収集車での活用を想定している。
商用車のEV化は騒音問題も解決
EVトラック導入によるメリットはCO2排出防止や騒音削減など、都市の環境対策に貢献できることだ。トラックは乗用車と比べてCO2の排出量が多いうえ、走行の際の音も大きい。EV化すればCO2排出をゼロにでき、走行音も静かだ。
走行音が静かということは、トラックを導入した事業者側にもメリットが大きい。特に夜間や早朝の配送などでの騒音は、近隣住民の迷惑となりかねないからだ。従来のディーゼルトラックでは、たとえば冷凍品などを配送しているときにエンジンをかけておく必要があったが、EVトラックではその必要がない。
セブン-イレブン・ジャパンの古屋一樹社長は「環境問題では全店でLED照明にするなど積極的に取り組んでいる。EVトラックの導入でさらなる環境対策に取り組む」と、10月19日に開いたeキャンターの導入発表会で抱負を語った。
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