楽天・JAL・ANAが頼ったデータ分析の「超新星」 「どうも」が社名の由来、親日家CEOの素顔

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3月には新製品「Mr. Roboto(ミスターロボット)」の提供を始めた。ジェイムズ氏が生まれる1年前の1972年に結成された米国のロックバンド、スティックスのヒット曲「Mr. Roboto」から名付けられた。曲中では「どうもありがとう、ミスターロボット。どうも、どうも。どうも、どうも」と、「どうも」を連呼。当時、日本の若者の間でヒットした。これが社名にもつながっている。

ミスターロボットはクラウドと接続したうえで、機械学習や人工知能、予測分析の機能を活用し、高度なビジネス・インサイト(顧客側からのより深い視点・気づき)やレコメンデーション(価値があると思われるコンテンツの個別提示)などを提供するプラットフォームだ。究極的には、データ分析のために多くのデータサイエンティストを確保する必要がなくなるという。

ただ、ミスターロボットは過去の開発の集大成とはほど遠く、「5年後を見据えたプロジェクトであり、まだ始めたばかり」(ジェイムズCEO)。これから育てていくものだという。

30社以上立ち上げた根っからの起業家

ジャシュ・ジェイムズCEOは起業に関しては百戦錬磨だ(撮影:尾形文繁)

ジェイムズ氏は根っからの起業家だ。これまで立ち上げたベンチャーは30社以上。学生時代は米ブリガム・ヤング大学で経営学やアントレプレナーシップ(起業家精神)を学んでいたが、1996年、起業に没頭するために自主退学している。

そこまでして立ち上げたのが、ジェイムズ氏が「米セールスフォースよりも先に成功したクラウドベースのオンライン・マーケティング・ソフトウェア会社」と自負するオムニチュア。設立から10年後の2006年に米ナスダックへ上場。当時33歳で「最年少の上場企業CEO」として全米でもてはやされた。上場から3年後、オムニチュアは米アドビシステムズにTOB(株式公開買い付け)により買収された。

オムニチュアの売却で得た巨額資金を元手に、翌2010年に設立したのがドーモだ。最初の海外進出先に日本を選び、創業まもない2011年には早々と日本オフィスを設置した。だが「日本の顧客の要求品質は驚くほど高い」として体制作りを慎重に進めてきた結果、本格展開は今年10月からようやく始まった。「今後は倍々ゲームで売り上げを伸ばせる局面に来た」(ジェイムズ氏)。

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