ヒトラーに屈しなかった国王に学ぶ「信念」 東洋経済オンライン読者限定試写会を開催!
監督は『おやすみなさいを言いたくて』のエリック・ポッペ。主演は、『007』シリーズのミスター・ホワイト役でいちやく世界的に知られるようになった俳優のイェスパー・クリステンセン。彼は本作でプロデューサーとしてもクレジットされている。
映画は、重厚な歴史ドラマとして、ドイツ軍の侵攻とホーコン国王の行動と決断を、時系列に沿って一つひとつ丁寧に描いている。
昨年の夏に、原田眞人監督、役所広司主演による『日本のいちばん長い日』という映画が公開された。その作品では、「太平洋戦争を終結させるために、降伏という聖断を下した天皇がいかにして8月15日の玉音放送までの時を迎えたのか」を描き出していたが、この『ヒトラーに屈しなかった国王』は、まさに”ノルウェーのいちばん長い3日間”ともいうべき内容となっている。
”ノルウェーのいちばん長い3日間”を描く
ホーコン7世は1872年生まれ。デンマークの王子から、1905年に独立したノルウェーにおいて“国民投票”によって選ばれた国王となる。劇中でも「わたしはノルウェー史上初めて、国民から選ばれた王だ。この国は民主主義国家であるから、もっとも尊重すべきは国民の声である」といったホーコン7世のセリフがあり、つねに国民に寄り添ってきた国王であったことがうかがい知れる。
それゆえに自身が政治に介入してはならないという思いがある。非常事態で混乱している議会でも「君たちは国民から選ばれた。どんな状況下でも国を率いる責務があるのだ」と、叱咤激励する。
ちなみに映画で描かれた“3日間”の後に、国王とノルウェー政府はイギリスに亡命することになるが、ホーコン国王は、ラジオのBBC放送を通じて、国内に残るレジスタンスたちを鼓舞。国王退位を拒否し、ナチス=ドイツへの抵抗勢力として精力的に活動した不屈の人物として尊敬を集めた。1945年にノルウェーに帰国した際は、国民から熱烈な歓迎を受けたという。
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