ヒトラーに屈しなかった国王に学ぶ「信念」 東洋経済オンライン読者限定試写会を開催!
さらに余談だが、ホーコン7世は日本とノルウェーのスキー交流の礎を築いた人物としても知られている。1909年、陸軍が八甲田山で行った冬季軍事訓練中に、210人中199名が遭難し死亡したという、高倉健主演の映画でも描かれたことのある事故だ。この事故を受けて、明治天皇にスキー板を贈呈。そこから両国のスキー交流が始まったといわれている。
1955年にはノルディックスキーに大きな影響をもたらした人物に与えられる、「ホルメンコーレン・メダル」を受賞している(この賞はのちに、日本人の荻原健司、船木和喜、葛西紀明らも受賞している)。
「民主主義度世界1位」の理由がわかる
日本とノルウェーは、1905年に国交を樹立して以来、第2次世界大戦時を除き、友好関係を築いてきた。外務省のホームページによると、日本とほぼ同じ国土面積だという。さらに、日本と同じ立憲君主国ということも、どこか親近感を抱かせるものがある。大ヒットアニメ『アナと雪の女王』もノルウェーをモデルに舞台設定がなされたといわれている。
そんなノルウェーだが、国連が3月に発表した2017年版の「世界幸福度ランキング」では、デンマークやアイスランドを押さえて1位となっている(日本は51位)。イギリス経済紙の調査機関「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット」でも、民主主義度が世界1位だと報告されている(日本は20位)。そんなノルウェーの民主主義の根っこにある部分とは何なのか。この映画にそのヒントが隠されているように思われる。
ノルウェー国家の礎を築いたホーコン国王を描いた映画とあって、本国ノルウェーでは空前の大ヒットを記録している。7人に1人が映画を観たというほどに社会現象化し、2016年の国内興行成績第1位を獲得した。ノルウェー版・映画アカデミー賞であるアマンダ賞で、作品賞をはじめ史上最多の8部門を受賞、さらにノルウェー国外の国際映画賞も受賞している。この作品のクォリティの高さに感動するのは、ノルウェー人だけではないことは間違いない。
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