トヨタ「ハイラックス」が映す若者開拓の糸口

復活のピックアップに20~30代が飛びついた

運転席

試乗した上級グレードXでも車両重量は2080kgと、ボディサイズから想像するほど重くはないことに加え、2.4Lディーゼルターボの最大トルクは4Lガソリン自然吸気エンジン並みの400Nmを発生し(最高出力は110kW)、ATは6速なので、力は十分。むしろ静かさや滑らかさが際立つ。この面だけ取り出せば乗用車だ。

高めに座る運転席は座り心地に優れ、ピックアップらしくドライビングポジションも自然だ。驚いたのは後席で、身長170cmの筆者が座るとひざの前に15cmぐらいの余裕が残り、シートのサイズや厚み、角度も申し分ない。

荷台

信頼性や耐久性を重視して固定車軸(リジッドアクスル)と板バネを組み合わせたリアサスペンションは、空荷だとやや跳ねぎみだった。でもこれは短所とはいえない。荷台に相応の重量物を積んで走ることを前提としているのだから。筆者も仕事の道具などを積んで走りたいという衝動に駆られた。

能力を生かせるかはドライバー次第

舗装路でのハンドリングは、とにかくおっとりしているが、こちらも欠点ではない。オフロードでは鋭い反応のクルマは運転しにくいからだ。それにコーナーの入り口でブレーキをしっかり掛け、右足をアクセルペダルに移すタイミングでステアリングを切り、アクセルを開けていくと、後輪駆動らしい素直なコーナリングが味わえる。

つまり誰が乗っても同じように走れるわけではない。昔のクルマのように、ドライバーにも相応の技能が必要とされる。昔のクルマが運転して楽しいといわれる理由の1つはここにあった。腕を上げるほど走りが速く滑らかになる。ハイラックスの走りに、いい意味で旧車に通じる印象を抱いた。

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