トヨタ「ハイラックス」が映す若者開拓の糸口 復活のピックアップに20~30代が飛びついた

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この話を聞いて思い出したのが、メルセデス・ベンツが同ブランド初のピックアップとして今年7月に発表した「Xクラス」だ。

メルセデス・ベンツ初のピックアップ「Xクラス」

Xクラスはメルセデスがルノー日産グループと協力関係にあることを生かし、日産自動車の「NP300ナバラ」をベースとし、フロントマスクやインテリアなどに独自のデザインを与えた。前後して登場したルノー「アラスカン」(これも同ブランド初のピックアップである)ともども、スペインの日産工場やアルゼンチンのルノー工場で作られる。

Xクラスはいまのところ日本導入の話はないが、そもそもメルセデスがピックアップのカテゴリーに参入するという事実だけ見ても、このカテゴリーに伸びしろがあると考えている証拠だろう。SUVに続いてそのブームが日本にも訪れる可能性がないとはいえない。

東洋経済オンラインが2017年9月14日に配信した「トヨタのでかい『ハイラックス』は売れるのか」では、ボディサイズの大型化に触れた。以前は4ナンバー(乗用車の5ナンバーと同寸)枠内に収まっていた全長と全幅はそれぞれ5335mm、全幅は1855mmに達する。長さについては東京モーターショーに展示されるトヨタブランドの最高級車センチュリーの新型と同寸だ。

ハイラックスだけが大型化したわけではなく、ライバルの1台である日産NP300ナバラもほぼ同じ大きさだ。日本市場から遠ざかっている間に主要マーケットの要望を受けてサイズアップしたのである。

安全性能は最新の乗用車並み

エンジン

新型ハイラックスで目に付く、長くなったフロントノーズは、歩行者保護対策を考慮したほか、ディーゼルターボエンジンのインタークーラーや運転支援システムのレーダーなどを収めるという理由もあった。歩行者検知機能付き衝突回避支援ブレーキ、車線逸脱警報システムなどを備えており、政府が普及啓発するセーフティ・サポートカーに認定されている。見た目はトラックだが安全性能は最新の乗用車並みなのである。

トヨタはハイラックスをピックアップ王国と呼ばれる米国では販売していない。独自のデザインを持ちサイズもやや大きな「タコマ」という車種が用意されており、この上に現地でフルサイズと呼ばれる大型の「タンドラ」もラインナップしている。

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