「北朝鮮危機」こそが自民党圧勝の最大要因だ

英メディアは日本の総選挙をどう分析したか

北朝鮮問題ばかりが勝因だったわけではない。選挙戦開始直後、自民党は獲得議席減少の可能性も想定していた。しかし、一転して与党有利になったのは「安倍首相自身の優れた手腕によるというよりも、安倍氏のライバルとして浮上した小池百合子東京都知事の誤算」だった(フィナンシャル・タイムズ、22日付)。

小池氏が立ち上げた希望の党が自民党の対抗勢力になる見込みが出たことにより、同党への大きな期待が膨らんだが、合流することになった民進党議員の中からリベラル系を排除したために野党勢力は分裂した。また、小池氏自らは衆院選に立候補しなかった。昨年夏の都知事選での勝利以降、都知事としては「それほどの実績をあげることができなかった」とフィナンシャル・タイムズは書く。

希望の党の支持率が下がる一方で、安倍首相は国内各地を回り、アベノミクスの功績や北朝鮮からの脅威に断固として対応するとアピールした。

各紙の報道によると、日本の有権者は様々な理由で、自民党あるいは公明党に一票を投じたに違いないという。例えば野党勢力による政権発足への不安感や各野党への不信感、あるいは北朝鮮に対する安倍首相の強硬姿勢への支持、生活・政治の安定を好む、などなど。

また、有権者がどれほどこの点を強く意識していたのかは不明だが、「自民・公明への投票は憲法改正にまっすぐつながっていた」ことを指摘する。フィナンシャル・タイムズは「選挙は圧勝だったが、有権者には愛されていない」安倍首相は「あらゆる政治的なスキルを使って、今回の勝利を従来からの念願だった憲法改正につなげることが求められている」と書いた。憲法改正への言及は、多くの英メディアが重点を置いていた。

「憲法改正についての成熟した議論が必要」

総選挙後、日本はどうなるべきか、どんな影響が広がるのか。これについては、ガーディアン紙(23日付)が複数の日本専門家による提言を紹介している。

豪ブリスベーンにあるグリフィス大学のマイケル・ヒーゼル准教授は「憲法改正についての成熟した議論を今こそ開始するべき」という。「非常に重要な問題だが、左派右派の両者のイデオロギー上の違いによって」まともな議論がなされてこなかったと指摘。左派は憲法第9条には手を付けてはならないと言うが、「現実的ではない。世界はすっかり変化しており、9条はもはや過去の遺物だ」。東南アジアやオーストラリアが「日本の軍国主義の再来を懸念していた時代は終わった」。

また、「日本が米国との同盟関係を維持したいのであれば、恩恵は両者にもたらされるべきだ」。米政府は「安全保障のただ乗り」に付き合う時間はない、という。

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