苦節10年「東京ポッド許可局」が人気の理由 自主制作から地上波へという「奇跡」
マキタ:それが「10万ポッド許可局」というイベント。チケットも即完売。
タツオ:僕らこれまで100人のお客さんを呼ぶのに苦労していたのに、08年に始めて、最初の2000人規模のイベントが11年の日比谷公会堂だったんですよ。プロジェクトとして考えたとき、わずか3年で2000人キャパを集められる芸人は、多分今もいないと思うんですよ。これは異常事態だなと思ったんですよ。ネットの片隅から出てきた、おじさんが、3年で2000人集めるってありえない話だと思うんですよね。
マキタ:当時、「どうやって人を集めてるんですか」ってよく聞かれました。結構な人気者、テレビの人気者って意外とイベントでは集客できないんです。
タツオ:しかも3人は別にイケメンで売ってるわけでも、ネタ番組に出てるわけでもない。だからこの番組って、時代に選ばれてるところがあるんだろうな。僕らが意図せずに、ガチッとハマったところがあるんだろうなと感じてました。
鹿島:裏街道走ってきた僕らなんで、ネットには本当に救われたと思っています。
リスナーとSNS
鹿島:業界の関係者とかもよく聴いてくださってたんですよ。
タツオ:番組のリスナー(聴取者)のことを「許可局員」と呼ぶんですけど、現場に行ったら小さな声で、「許可局員です」って言われます。
マキタ:秘密結社なんですよ(笑)。
タツオ:大きな声じゃなく、静かに「許可局員です」って言うメンタリティーがおカネを払い、時間を押さえ、イベントに足を運ぶというメンタリティーと直結しているから、イベントにお客さんが来るんじゃないかな。
鹿島:あとラジオとSNSって親和性がとても高くて、僕らが自主でやってる時から、ラジオ好きに見つかり、その情報がSNSで広がって、共有され、登録者も増えていく。そのからくりの面白さにも気づきましたね。
タツオ:聴いてる人に語りかけない、という演出は最初から意図していました。それは喫茶店に入ったら隣のテーブルで、興味深い話をしていたぐらいの感じで、聴いてもらえればという思いからです。
鹿島:実際「喫茶室ルノアール」で収録してました。