安倍首相は小池代表と11月「電撃和解」する?

勝敗が見えた今「注目イベント」は総選挙後に

「両首脳にとって日ロ関係は、以前はAsset(資産)だったが今はLiability(負債)になっているのではないか」というロシア側の指摘には、うーむと唸らざるをえなかった。安倍さんもプーチンさんも、互いに期待値を上げすぎちゃったかもしれないねえ。

「プーチン大統領再選で北方領土も」は希望的?

プーチン大統領といえば絶大なる権力者で、政府と軍をがっちり掌握し、国民からの支持率は8割もあって、来年3月の大統領選挙も軽~く再選されちゃうんだろう、とわれわれは考えがちである。ところが現地で聞くと、「いやいや、この国の内政はそんなにうまくいっちゃいませんよ」との声が多かった。

石油価格はやっと底打ちしたとはいえ、ロシア経済はまだまだ青息吐息。しかも世界中どこでもありがちなことに、家計の実質所得は落ちているし、地方の格差も拡大している。この先、どうやって国民の不満や無気力を手なずけていくのか。プーチン大統領は盛んに地方を訪問し、首長をバンバン更迭したりして、「水戸黄門の世直し」みたいなパフォーマンスを演じている。独裁者も意外とつらいのだ。「プーチン大統領が来年再選されれば、北方領土問題も前進するだろう」という一部観測は、やや希望的にすぎるような気がする。

あのプーチンでさえこうなのだから、海外のジャパンウォッチャーたちの眼には、世界中の政治が荒れ狂っている中で、日本だけが安定していることが奇異に映っているらしい。アメリカのドナルド・トランプ政権やイギリスのBrexitは言うまでもなく、オーストリアの右翼政党躍進にスペインのカタルーニャ地方の独立運動まで、至るところに火種が飛んでいるではないか。9月の総選挙で勝利したドイツのアンゲラ・メルケル首相でさえ、連立工作に難儀している。

わが国で明日行われる総選挙において、大方の予想どおり与党が圧勝するとなると、ますます日本政治の安定が際立って見えることだろう。いや、それがあるから連日のように株価が上げているわけなのですけどね。

ただし今回、自民党が大勝ちしたからといって、「安倍一強」時代が戻ってくるかといえばそこは少し怪しい。世論調査を見ると、その多くで内閣支持率よりも不支持率が上回っている。ところが政党別支持率を見ると、自民党がダントツである。そして安倍首相は、野次を恐れて演説場所を事前に明かさない選挙戦を展開している。

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