次期カローラに観測、「3ナンバー化」の波紋 2018年秋にも刷新、新旧併売の可能性も
日本の自動車業界では全長4700mm(4.7m)、全幅1700mm(1.7m)に収まる乗用車を「5ナンバーサイズ」と呼ぶ。5ナンバーとはたとえば「品川501~」「神戸530~」など、ナンバープレートの登録地域に続く番号。正確にはガソリンエンジンの場合で排気量2000ccを超えると、5ナンバーサイズであっても3ナンバー(「品川301~」「神戸330~」など)で登録されるものの、狭い日本の道路になじみやすい車体サイズとして、ユーザーにも認知されている。
現行11代目カローラのボディサイズは全長4400mm、全幅1695mmに収まる。12代目カローラはおそらく全幅が1700mmを超えるのだろう。
次期カローラはTNGAに基づき開発
走行安定性や衝突安全性能の向上などもあるだろうが、次期カローラはTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)という考え方に基づいた新世代プラットフォームで開発されている。第1弾が現行の4代目プリウス。続いて昨年末に登場した新型SUV「C-HR」、今年7月に国内で発売した新型「カムリ」でも用いられた。4代目プリウスの全幅は1760mm、C-HRは1795mmと、比較的コンパクトなカテゴリーながら立派な「3ナンバーサイズ」だ。
カローラがTNGAで開発を進めると5ナンバーサイズに対応できないとみられている。すでに海外市場でのカローラでは、10代目から3ナンバーとなっている。ただ、国内仕様の次期型が3ナンバーとなっても、全幅は1750mm以内に収まり、1800mm近くある海外仕様とは引き続き別バージョンになる見込みだ。
カローラを取り扱う「カローラ店」のセールスマン複数にこの話をしてみると、絶句された。3ナンバーボディに抵抗を示す得意客は少なくないというのが、現場から聞かれた意見だ。
カローラといえば、昨年、生誕50周年を迎えた。長らく「国民車」として親しまれてきた背景には、手頃なサイズ、パワー、価格などといった要素がある。カローラシリーズは法人需要も意外と大きい。5ナンバーサイズのセダンやステーションワゴンが日本国内では極めて少ないこともそこには影響している。
現行11代目でハイブリッドモデルが追加設定された際、飛びついた個人・法人は少なくなかった。プリウスではボディサイズが大きく取りまわしに四苦八苦するという個人客のニーズに対応して追加設定し、好調な販売に結び付いていると、以前、販売現場で聞いたことがある。ある法人ユーザーは「プリウスでは3ナンバーなので、得意先をまわりにくい。『儲かっているね』などと嫌みを言われるからカローラのほうがいい」と打ち明ける。
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