43歳で出産した日本人女性のフランス生活 CHICO SHIGETAさんに聞くパリでの子育て
私たち夫婦が子どものことを考え始めたキッカケは、私が35~36歳になった頃でした。夫に「どうしても子どもが欲しい。これは時間が待ってくれない問題だし……」と切り出さたれたんです。
私も、もともと子どもも好きだし、欲しくないというわけではなかったのですが、パリに来て自分のブランドを立ち上げてからというもの馬車馬のように働いていたので、子どもを持つ心の余裕がなかったんですね。
あらゆることを片っ端から試した
「その時夫とは、結婚してから6年以上経っていて、夫婦というよりも、完全に仕事のパートナーという関係になっていたんです。まずはそこから考え直さないとな(苦笑)、というところからスタートしました。
とにかく2人とも出張が多くて、1年のうち4分の1程しか一緒に生活している時間がなかったんです。ですから、まずは、なるべく2人が一緒にいられる時間を作ろう、とスケジュール調節を始めました」
ところが、タイミングを合わせてもなかなか妊娠には至らず、その後、はりやヨガなどの自然治療から始め、続いて37歳のころからフランスの専門医にかかり、人工授精、体外受精へと不妊治療のステップアップをしていったという。
「私たち夫婦は2人とも、健康には気を使っているし、実際、健康体。『こんなにヘルシーな生活をしているのに、どうして妊娠できないんだろう?』って思っていました。そして、とにかく片っ端から「妊娠に効く」といわれるものは食べ物でも、ヨガでも、自然治療から最先端のテクノロジー治療まで、それこそ本が1冊書けるくらい、あらゆることを片っ端から試しましたね」
――不妊治療にとりかかると、心身ともにかかる負担が大きいといわれますが実際のところいかがでしたか?
「そもそも『不妊治療』という言葉が、まるで女性に欠陥があるような印象を受けるので好きになれないのですが……。治療を1度開始すると、やることも増えるし、病院に通うことも多くなったので、仕事の業務の一貫のように『こなす』という感覚でしたね。精神的には案外落ち着いていました。もちろん、なかなか結果が出ずに落ち込むようなこともありましたが、あまり感情的になるということはなかったです」
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