年収1200万円の35歳女子が外資を捨てた理由 「体調不良でも無理して仕事」は、もうやめた

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不動産投資は物件の選定や業者選び、管理会社選びなど、多くのポイントがあります。Tさんのような高額のおカネを必要とするアパート投資はもちろん、通常のマンション投資でも決して簡単なことではありません。突き詰めると、不動産投資で成功するには、物件はもちろんですが、「いかによい条件で金融機関から融資してもらえるか」に集約されると思います。

よい条件の融資とは、(1)自己資金が少なくて済む、(2)低い金利で借りられる、(3)長い期間借りられる、の3つです。融資条件は、投資する物件の価値ももちろんですが、日本の金融機関の場合、勤務先や年収、資産の状況など、同じ物件を借りるのでも、融資を受ける人の属性によって大きく変わります。

その点、Tさんは、有名企業で年収も高く、勤続年数も8年以上と属性がよかったので、好条件で融資が下りました。 Tさん曰(いわ)く、「体調が悪くて早く会社を辞めたかったけど、会社にいるうちに不動産投資をしておいてよかった」とのこと。もし不動産投資をするなら好条件で融資が受けられる、いわゆる「属性がよいうち」にやっておくほうがいいでしょう。

転職がスムーズに決まらないと翌年おカネに困ることも

ほかにTさんの注意ポイントとしてはどんなことが挙げられるでしょうか。まずは住民税です。Tさんは、年収1200万円と高収入だったので、住民税の金額も年間100万円を超える金額を支払っていました。

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住民税は、前年の所得に対して税金を支払う仕組みなので、しばらくは無職でも前年の所得分の住民税は支払う必要があります。Tさんのように、年収が高額で独身だと、月にならすと10万円以上の負担になるので、しっかり準備をしておく必要があります。

また、しばらく転職先が見つからないと、会社員時代にはなかった出費も重くのしかかってきます。たとえば会社員の場合、厚生年金、健康保険の保険料は会社が半分負担してくれますが、退職すると、厚生年金から国民年金になり、健康保険は2年間、退職した会社の保険の任意継続になるか、居住地の市区町村の国民健康保険に加入するかのどちらかになります。いずれにしても保険料は全額自己負担になります。

今回のTさんのように順調にキャリアを築き、高収入を得たとしても、人生はいつどうなるか、わかりません。今回の体調不良というアクシデントは、誰にでも訪れる可能性があるものです。ライフプランを立てるときには、こうしたアクシデントが起きた場合も想定して「第2のプラン」を考えておくことも大切です。

高山 一惠 ファイナンシャルプランナー(CFP)

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たかやま かずえ / Kazue Takayama

株式会社Money&You取締役。2005年に女性向けFPオフィス、株式会社エフピーウーマンを創業、10年間取締役を務め退任。その後、(株)Money&Youの取締役就任。女性のための、一生涯の「お金の相談パートナー」が見つかる場「FP Cafe」を運営。全国で講演活動、多くのメディアで執筆活動、相談業務を行い、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評。著書は『やってみたらこんなにおトク!税制優遇のおいしいいただき方』(きんざい)、『税金を減らしてお金持ちになるすごい!方法』(河出書房新社)、『パートナーに左右されない自分軸足マネープラン―ひとりでも生きていける力を身につけよう』(日本法令)など多数。

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